ブレイク候補?対照的な高校時代だった高橋奎二と望月惇志
9月5日に行われたヤクルト対中日の試合で高卒3年目の高橋奎二(ヤクルト)がプロ初登板を飾った。145キロを超えるストレートにチェンジアップ、スライダーなどの変化球を混ぜ、3回まで無失点投球を披露する。4回に2本の本塁打を含む4安打と集中打を浴び、5点を失ったが、つづく5回には立ち直り、5回5失点、被安打6、奪三振5、与四球3(102球)でマウンドを後にした。
初登板で期待を抱かせる投球をみせた高橋奎二
龍谷大平安時代の高橋奎二
勝ち負けはつかなかったが、一軍初登板としてはまずまずの内容だったと言えるだろう。チェンジアップの精度が上がれば、十分にローテーションを任せられる投手に成長しそうな雰囲気もある。翌日に登録を抹消されたが、これからもチャンスは巡ってくることは間違いない。
その高橋は龍谷大平安2年時に春の選抜で優勝を経験。同世代の中でも追われる存在だった。しかし、2015年ドラフト3位でヤクルトに入団後は故障もあり、本来の投球ができずじまい。ようやく3年目の今シーズン一軍での第一歩を踏み出したところでもある。この経験を糧とし、来シーズン飛躍することに期待がかかる。
150キロ右腕のセットアッパー候補・望月惇志
横浜創学館時代の望月惇志
その高橋と同じ2015年ドラフト組で今シーズン結果を残しつつある選手がいる。阪神の望月惇志だ。2015年ドラフト4位で横浜創学館から阪神へと入団。昨シーズンまでの一軍登板はわずかに1試合と実績は皆無だった。
しかし、今シーズンは7月3日に一軍登録されると中継ぎとしてフル回転。ここまで24試合に登板し29.1回を投げ33奪三振と金本知憲監督の期待に応えている。今シーズンは勝ちパターンとしての起用ではないが、150キロを超えるストレートは魅力的。来シーズンからはセットアッパーに昇格する可能性も秘めている。
その望月は激戦区の神奈川県出身ということもあり、高校時代に甲子園への出場経験はない。しかし、同期のトップ集団に位置していた高橋より早く、一軍で結果を残しているのだ。
甲子園に出場していても、していなくてもプロに入れば関係ない。両選手とも高卒3年目の今シーズンに手応えを掴み、4年目となる来シーズンの活躍に期待したい。
※数字は2018年9月8日終了時点
(文:勝田 聡)