習志野vs銚子商
習志野が終始、自分たちのペースで試合運び!銚子商との伝統校を制する
20世紀の千葉県の高校野球をリードしてきた習志野と銚子商の対決が41年ぶりの実現。それもあって、試合前から内野席スタンドは平日にもかかわらず多く埋まった。
さてこの試合の見どころを上げるとすれば、試合運び、戦略、走塁、打撃、守備が長けた試合巧者・習志野に対し、銚子商が勝つにはとにかく打ち勝つしかない。先制点を取って、守り抜くという定石のゲームプランを敷きたくなるが、今年の銚子商は習志野打線を抑えられる絶対的な投手はいない。取られたら、取り返せ。それが今の銚子商にとって最善のゲームプランである。
しかし先制したのは習志野。1番池田来翔(3年)は中越え三塁打を放ち、チャンスを作ると、2番鈴木空吾(2年)は四球。3番石田瑛平(3年)は中前適時打で1点を先制!4番吉野海都(3年)は犠打で一死二、三塁。5番松本凌(3年)は一ゴロ。そして三塁走者が突っ込み、クロスプレーとなるが、セーフ。習志野がお得意の速攻劇で先制する。
さらに習志野は2回裏にも1番池田の中前適時打で3対0と点差を広げる。一方、銚子商は、4回表、3番押樽がライトスタンドへ飛び込む本塁打を放ち、1点を返す。4回裏、しかし習志野は9番川島直之(2年)は四球。1番池田は左中間を破る二塁打で二死二、三塁。そして2番鈴木が左翼線を破る適時二塁打で2点を追加。この2点で試合の主導権を握った。
5回裏、習志野は4番、吉野の右前安打、5番松本の犠打の後、6番菅谷 友紀(3年)の右中間を破る適時三塁打で1点を追加。7番加瀬 龍希(2年)は敵失で1点を追加。6回裏にも4番吉野の適時二塁打で8対1と大きく点差を広げた。
投げては習志野の先発・山下が、右スリークォーター気味から常時125キロ~130キロ前後のストレート、スライダー、カーブをコントロール良く投げ分けるピッチングで、銚子商打線を押樽の本塁打1本に抑え、1失点完投勝利。銚子商打線のペースにさせなかった。
習志野は伝統の機動力を絡めた攻撃は健在。その中でも1番池田は攻守でバランスが取れたプレーヤー。スクエアスタンスで構え、直球、変化球に対し、て、ボールに対応できる打撃技術を持ち合わせており、打球も速い。スピードもあり、大学で続けていけるレベルに達した選手ではないだろうか。
銚子商は再三走者を出すが、決定打が出なかったのが痛かった。
(文=河嶋宗一)
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