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明徳義塾高等学校(高知)「甲子園4強の要因は細部までこだわったゲームプランニングにあった!」【後編】

2016.11.23

 この夏、甲子園4強の明徳義塾。選手主導でプランニングをすることをお伝えいたしました。後編では夏の甲子園でどんなプランニングをして試合に臨んだのかを選手たちに語っていただきます。

センバツからの「大修正」が夏の飛躍に

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ゴロ取りトレーニングに取り組む高村和志(明徳義塾高等学校)

 とはいえ、現3年生の歩んできた道は決して平たんではなかった。古賀優大高村和志がレギュラーメンバーだった2年夏は西村舜の起死回生逆転打で敦賀気比(福井)に延長10回まで粘るも、馬淵 史郎監督就任後初となる夏の甲子園初戦敗退。秋の四国大会決勝戦高松商の後塵を拝し、センバツでは龍谷大平安(京都)に完敗。史上初の甲子園2季連続初戦敗退の屈辱を味わった。

 その後、チームは過去の反省を元に大修正を施す。守備面では「ビックイニングを作らせない」がテーマになった。捕手の古賀は「間合いを作る。配球を変える」。投手の中野恭聖は「各回の先頭打者を打ち取ることや、ストライク先行させることに集中する」。

 内野手は「各回の1アウト目を取る可能性を高めるため、より相手打者の傾向を意識する」(高村)、「データを元にセーフティーバントなどにも対応できるように守備位置を変える」(大北海斗)。外野手は「出会いがしらの長打をケアするために打者・点差・イニングによって後ろ目からのポジショニングを使っていく」(立花虎太郎)、「内野手とのコミュニケーションを密にとる」(西村)。修正は細部にわたった。

 さらに夏は高知県大会から対戦相手を侮ることなくスタンドからの観戦やDVDによって研究を重ねた明徳義塾。その集積は春の四国大会でも対戦した鳴門(徳島)との準々決勝で沸点に達する。

「四国大会では球速が速かった(最速145キロ)し、ツーシームの対応に手間取ったので、そこの対応をしっかりしていたら、実際は疲労のせいか四国大会より球速もツーシームなどの変化量も少なかった」左腕・河野 竜生への対策が奏功した大北は2回の先制点を呼び込む中前打を含む3打数2安打。10安打3得点で攻略に成功。

 守備の部分でも「4番の手束(海斗)くんはバットが外回りだったのでインコースを意識をすることを意識した」古賀のリードに導かれて中野が3安打完封。「1・2番(日野 洸太郎鎌田 航平)は足が速い情報があったので、前目に守った」(高村)内野守備、「手束くんの出会い頭には気を付けて、あとは右中間・左中間を抜けた時のケアを確認した」(西村)外野守備。全てが完ぺきにこなせた。

[page_break:「明徳義塾的ゲームプランニング」を、これからも活かす]

  

「打撃では先発投手(仲地 玖礼)の初球からでも投げるフォークを意識するのと、前橋育英(群馬)戦で逆転して勝ち上がってきた嘉手納の勢いに注意しました。13点取れたけど、8回裏に4点取られてチームを締め直せた」という3回戦・嘉手納(沖縄)戦の苦い体験もベースに。

 準決勝作新学院(栃木)戦では「タイミングを取ってから流れでスイングするのではなく、もう一度後ろでタイミングを取ってから振りに行く」(西村)、明徳義塾では「ステイバック」と言われる見極め法で今井 達也関連記事)を5回で96球投げさせることに成功しながら、守備でのポジショニングがはまらず2対10で14年ぶりの決勝進出はならず。ただ、明徳義塾らしさを発揮するための大修正は、夏の飛躍へ間違いなくつながった。

「明徳義塾的ゲームプランニング」を、これからも活かす

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今年1月の練習での手前から西村 舜・高村 和志ら3年生たち(明徳義塾高等学校)

「ゲームプランニングは明徳義塾ではじめて学びました。ゲームプランニングをすることで次のプレーを考えることができるし、ミスも減らすことができる。焦らなくなりました」
 

 6人は少しずつ表現を変えながらも、異口同音にゲームプランニングすることでの効果を説明する。練習で基礎を作り、「データがない中でいかに戦えるかをする場所」(古賀)として練習試合を利用し、「DVD+データ+試合前シートノック+試合中の修正」というサイクルで公式戦は勝ちに向かって進む。これこそが「明徳義塾的ゲームプランニング」である。

「次のステージでも、ここで学んだ試合の作り方を活かしたい。後輩たちには勝ち進んで優勝してもらいたいです」(中野)

「野球の流れについて細かいまで学んだことを活かしたい。後輩たちには自分たちを超えてほしい」(大北)

「守備の伝統を活かして次のステージでもがんばりたい。後輩には今を全力でがんばってほしい」(立花)

「ここで教わった基本のことを困ったときに思い出してやっていきたい。後輩たちには1人1人ができることを最大限がんばってほしい」(西村)

「ここで学んだデータを取って戦う野球は、上に行っても必ず通用すると思う。やってきたことを実戦に役立てたい。[stadium]甲子園[/stadium]はいい場所だから、後輩たちには優勝できるようにがんばってほしい」(古賀)

明徳義塾に入学して学んだ守備の大事さを次でも活かしたいし、後輩たちにも守備の強さを活かして優勝してほしい」(高村)

 大学野球・社会人野球、そしてプロ野球や就職と進路は千差万別な3年生46人。たが、彼ら6人の話を聴けばこれだけははっきりしている。「明徳義塾のゲームプランニング」は、この先の野球ステージ、さらに言えば人生を過ごすうえでも活きる方法である、と。

(取材・文=寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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