日大三vs都立王子総合

1番井上（日大三）

　午後の雨予報から試合開始時間を15分早めて始まった、日大三対都立王子総合の一戦は初回から“強打の日大三”を見せつける試合展開となった。

　1回表、都立王子総合の攻撃。
日大三の先発は背番号８をつける左腕櫻井。やや荒れ気味ながら力強い投球で都立王子総合の上位打線を内野ゴロ3つ、三者凡退でリズムよく抑え、その裏の怒涛の攻撃に繋げる。

　日大三はその裏、都立王子総合の先発岡田から1番井上がいきなりライトポール際に先頭打者本塁打。チームを一気に勢いづかせると、一死後、3番櫻井、4番比留間が四球を選び一死一塁二塁、5番日置が左前安打で繋ぎ一死満塁とした後、今度は6番金成がライトへ打った瞬間それとわかる特大の満塁本塁打。5対0と日大三が大きくリードする。

　さらに攻撃の手を休めない日大三は、二死後、8番八木がライト線への二塁打で出塁すると、9番津原、1番井上が四球で歩き二死満塁。ここで2番大西の右前適時打で二者生還、都立王子総合の野手の中継が乱れる間に、一塁走者も帰り、3点追加。8対0となったところで、たまらず都立王子総合は先発の岡田に代え、背番号１を付けた鈴木をマウンドにあげる。
流れを断ち切りたい都立王子総合だったが、今度は3番櫻井が鈴木の変わりっぱなを捉え、ライトへ2点本塁打。

　初回から3本塁打、打者13人の猛攻で10得点、日大三が完全に試合の主導権を握る。

　なんとか早い回で反撃したい都立王子総合は、2回表、4番遠藤が四球、5番山合がセンターオーバーの二塁打で無死二塁三塁とすると、6番徳山が打撃妨害で一塁へ。
無死満塁と絶好のチャンスを作り、7番鈴木のサードゴロの間に1点を返す。その後も一死満塁として、制球に苦しむ日大三櫻井を攻め立てるが、9番青戸のライトへのヒット性の当たりを日大三ライトの溝口が前に滑りながら好捕。後続も三振に倒れ、この回1点止まりとなる。

　続く3回表、都立王子総合は、一死後3番荒川が中前打、4番遠藤も中前打と連打で続き、一死一塁二塁とチャンスを作るも日大三櫻井が要所を締めるピッチングで得点を与えない。

　都立王子総合の二番手鈴木は、緩急をうまく使ったピッチングで2回、3回を日大三を無得点に抑えるが、10対1で迎えた4回裏、強打の日大三打線に捉まってしまう。
走者一人を置いて、7番溝口が、この試合チーム4本目となるレフトへ2点本塁打、その後8番八木が四球、9番津原が左前安打、走者二人を置いて1番井上がレフト線への二塁打を放ちさらに1点、続く2番大西の中前適時打で2点、初回に次ぐビックイニングで点差をさらに広げる。

　5回表、完全に立ち直った日大三櫻井が都立王子総合の攻撃を3人で締め、5回コールドゲームが成立。
今年も破壊力抜群の日大三打線。
都大会出場を貫録のコールドゲームで決めた。

　一方敗れた都立王子総合であるが、攻撃陣は決して日大三櫻井の速球に振りまけておらず、いい当たりが何度が野手の正面をつくという事もあった。
また、追い込まれてからは各打者がミートスイングに切り替え、ファールで粘るという打席での工夫や粘りも見られた。
この冬を超えて、どんなチームに成長するのか注目したい。

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