嘉手納vs美里工
仲地貫禄の8回ゼロ封！嘉手納が初の決勝へ進出
嘉手納がライバル美里工を下し、創設以来初の選手権沖縄大会を制覇した。
3失点も3回以降ゼロに抑えた仲地玖礼が完投。元4番の大城堅斗、そしてナインを引っ張ってきたキャプテン大石哲汰の2人がホームラン！
この枢軸3人は、春の県大会ではケガなどで苦しんだ3人でもあった。
中部地区高校野球選手権大会の決勝で美里工を迎えたが、5対2で敗れ去ってしまう。しかし彼らはこの日、見事リベンジを果たしたのだった。
3番からの5連打で逆転！
先制したのは美里工だ。初回、一死から前徳柊亨（まえとく・しゅうと）がライトへ三塁打を放つ。次打者が四球を選ぶと4番大田浩二が先制のタイムリー。
さらに新垣嗣人がスクイズを決めて2点を刻んだ。絶対エースの仲地が打たれた嘉手納だったが、彼らは慌てふためくことがなかった。
その裏、1番幸地諒承（こうち・りょうすけ）がレフト前ヒットで出塁すると次打者の犠打で二塁へ。ここで大石がレフト線へ運び1点を返す。
知花拓哉もレフトオーバーの二塁打で続くと、比嘉花道のライト前ヒット（とエラー）で加点。
6番古謝巧真もセンターへ持っていき比嘉花が生還。さらに仲地が左中間を襲う大きな2点打を放つ圧巻の5打者連続長短打で一気に5点。
なおも貪欲にスクイズで加点し6対2と試合をひっくり返した。
2本のホームランで優勝に華を添えた
2回に1点を返された嘉手納だったが、4回に大石のソロアーチが生まれると、7回には走者を二人を置いて大城に3ランホームランが飛び出し試合をほぼ決定付けた。
投げては3回以降、美里工打線を3安打に封じた仲地が危なげない投球。
一年生中央大会で29年振りに優勝をもたらしたヒーローたちが、最後の夏の栄冠を掴んだのだった。
敗れた美里工だが、数々の逆転劇を生んだ精神力の強さは嘉手納に勝るとも劣らない素晴らしいものだった。
春の県大会2回戦敗退からの、この夏の駆け上がりは見事。
やってやれないことはないこと、練習は嘘をつかないことを学んだこの高校野球の糧を、次なるステージで発揮してもらいたいと願う。
（文＝當山 雅通）
