明徳義塾vs高知商
明徳義塾、エース復活完封劇で夏の高知大会前哨戦制す
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中野 恭聖を完封に導いた明徳義塾・古賀 優大(3年)
夏の高知大会でもお互い勝ち進めば準決勝で激突することになる明徳義塾と高知商。夏の前哨戦を思わせる緊張感あふれる投手戦を制したのは明徳義塾。6回8奪三振無失点だった前日の高知工戦に続き8回108球5安打4奪三振3与四死球1失点の高知商・エース・高橋 大(3年・左投左打・170センチ67キロ・高知市立愛宕中出身)を上回る快投を見せたのはセンバツ・龍谷大平安(京都)戦(観戦レポート)以来の公式戦先発マウンドに上がった中野 恭聖(3年・投手・右投右打・172センチ68キロ・えひめ西リトルシニア<愛媛>出身)である。
この日の中野の最速は自己最速に5キロ満たない133キロ。ただ、ストレートの回転数は素晴らしく古賀 優大(3年・捕手・右投右打・178センチ78キロ・友愛クラブ<フレッシュリーグ・福岡>出身)のキャッチャーミットには「バシィーン」と突き刺さる音が次々と。スライダー・チェンジアップもストライクコースから絶妙の角度で内野ゴロ・空振りを誘うコースを突く。
加えて中野はピンチにも冷静だった。3回表に先頭の8番・高橋に二塁内野安打を許し、2四死球も与えて招いた一死満塁のピンチは一ゴロ本塁封殺、中飛。7回表の一死一・二塁も三振・遊ゴロで切り抜けた。これには投手陣を語る際に眉を寄せていた馬淵 史郎監督も「低めにしっかり投げていた」と恵比須顔であった。
終わってみれば打者34人を119球2安打4奪三振4四死球で片付け完封。5回裏二死二塁から左中間へ運んだ三塁打で試合も決めたエースの復活劇は、明徳義塾にとっても実に大きな出来事となるはずだ。
(文=寺下 友徳)
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