試合レポート

都立荒川工vs都立戸山

2016.03.21

主砲とエースの活躍で都立荒川工が本大会進出!

都立荒川工vs都立戸山 | 高校野球ドットコム

完投勝利でガッツポーズする
福谷真吾(都立荒川工)

 都立荒川工都立戸山は両エースに安定感があった。都立荒川工のエース・福谷真吾は、左腕からキレのあるストレートとスライダーを投げ込み度胸溢れる好左腕。1年の時から練習で一番最後まで残るなど取り組む姿勢がしっかりした投手で、冬場は投げ込みを多くし、また体作りも行い、175センチ76キロと昨年の69キロから増量。太ももの厚さ、お尻の大きさを見るとなかなかがっしりした投手であった。

 一方、都立戸山の先発・渡邊慧も、181センチのガッシリ体型をしていて、さらに右サイド気味のフォームから繰り出す威力ある直球が武器の投手。適度に荒れていて、狙い球が絞りにくい投手だ。スタミナもあり、尻上がりに調子を上げていける投手だ。

 先制点をつかんだのは都立荒川工だった。3回表、9番染谷の四球からきっかけを作り二死一、二塁から4番佐藤大睦の適時二塁打で1点を先制。さらに4回表にもスクイズで1点を追加し、2対0とする。さらに5回表には4番佐藤が今度はレフトスタンドへ飛び込む豪快な本塁打で3対0とする。前日の都立篠崎戦でも左中間へ本塁打を放った佐藤。もともと長打力は優れていた選手だったが、なかなかその力を発揮できずにいた。この冬場は逆方向へ強い打球を打つ練習を繰り返してきた。2試合連続で逆方向への本塁打を打つことはなかなかできるものではない。
 だが6回裏、都立戸山は二死満塁から敵失で3対2の1点差に。だが都立荒川工は、7回表、3番福谷の長打と敵失で三塁へ進み、二死からバッテリーミスで4対2と点差を広げる。この1点が大きく、9回裏に5年根石の適時打で1点を返されたが、6番渡邉が放った痛烈な二ゴロを二塁・小林の好捕し、試合終了。都立荒川工が本大会出場をつかんだ。
 試合後、都立荒川工の野木監督は「昨日、都立篠崎さん相手に劇的な勝利を収めたので、それで浮ついた気分にならないか、不安がありましたが、今日は落ち着いて試合に臨むことができており、9回裏の守りも、それがあったからできたのでしょう。大きな成長を感じた試合だったと思います」と振り返った。

 2試合連続本塁打を放った佐藤は「大きく自信になった一発だったと思います」と主砲として頼もしいコメントが。個性的な選手が揃う今年の都立荒川工。都大会であっと言わせる戦いを見せるか注目をしていきたい。

(取材・写真=河嶋 宗一

都立荒川工vs都立戸山 | 高校野球ドットコム
注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.14

慶應&大阪桐蔭が四国の5チームに伝えた「全国で勝つための方法」とは!? 香川・徳島招待試合がもたらした財産

2024.06.14

【群馬】甲子園春夏連覇に挑む健大高崎は勢多農林と藤岡北の勝者と対戦、同ブロックに桐生第一【2024夏の甲子園】

2024.06.14

【北海道】名寄支部では、稚内大谷が名寄と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.10

【沖縄】11日に抽選会!春の覇者・エナジック、ノーシードの沖縄尚学の対戦相手に注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得