高松商vsいなべ総合
誤算だった延長突入
延長10回裏、高松商の5番・美濃晃成(3年)に三塁打を浴びた、いなべ総合の背番号1・渡辺啓五(2年)。 続く6番・植田理久都(2年)への3球目、「低めを意識しすぎた」というスライダーは、キャッチャー・渡邉雄太(3年)の手前でワンバウンド。止めることができず後逸し、美濃にサヨナラのホームを踏まれた。無情のサヨナラワイルドピッチに2年生エースはガックリと肩を落とした。
先発の山内智貴(3年)から7回に渡辺啓へリレーするのは予定通り。しかし9回に追いつかれ、延長に入ってしまったのは誤算だった。「渡辺啓は肋骨の炎症があり、無理をすると骨折の危険がった。温存して、甲子園練習から投げ始めたが、時間が足りなかった。(延長は)4イニング目だった」と尾﨑英也監督。
実は渡辺啓は試合前日(3月23日)が誕生日。加えて新2年生ということもあり、チームの中では最も成長が遅い部類に入る。秋の公式戦での起用法を見ると、素質はピカイチだが体の成長を考えて指揮官が大事に使ってきたことが窺える。それだけに延長で1イニング多くなってしまったことが悔やまれる。
このゲームの勝負には敗れたいなべ総合。だが、大器晩成で成長中の2年生エースが一回りたくましくなって、甲子園に帰ってくるのを楽しみにしたい。
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