錦城学園vs都立西
西が死球でペースを乱して錦城学園が好機を生かして大きく突き放す
この日3安打の錦城学園・目黒君
昨年秋はブロック予選1回戦で、強豪修徳と当たり初戦敗退してしまった錦城学園。長いオフを過ごして、満を持しての春へ備えてきたが、前日は8―1で都立蒲田・聖学院合同を下している。また、都立西は1回戦では東京学園を8―6で下し、前日は目黒学院を4―1で下しての進出である。
その両校の対戦だったが、初回の錦城学園は先頭の山君が初球を中前へはじき返して、都立西の先発合田君の機先を制した。バントと内野ゴロで二死三塁となり安波君が死球。一三塁となると、ここで目黒君、高納君が連続で右前打して2点を先制した。
2回にも一死から連続死球で走者がたまると、3番河口君が中前打でさらに1点追加し、外野飛球落球後、5番目黒君が満塁の走者一掃の左中間三塁打。暴投もあってこの回5点で錦城学園は完全に試合の流れを掴んだ。
大量リードで、錦城学園の根岸君もリラックスして楽に投げられていた。まだ、線は細いかなという印象だが、バネのある感じの投球でタテの変化球も鋭い。
錦城学園は、4回にも目黒君のタイムリー内野安打などでさらに3点を追加し、5回にも代打五月女君の犠飛で1点を追加して、余裕を持って逃げ切った。
試合としては、錦城学園は大勝というスコアだったが、新2年生が先発で6人というチーム構成ということもあって、玉木信雄監督は、「下級生が多いと、どうしてもここ一番というところで緩さも出てしまいますから、締めていかないといけないという気持ちでいます」と、快勝にも意識を引き締めて、本大会を見据えている。
神保町から西高島平まで地下鉄で出て、荒川河川敷のグラウンドまでは約1時間。これも都会の学校の宿命とも言えよう。こうした学校からグラウンドまでの距離があるのは、必ずしも恵まれた環境とは言えないものの、現状でも50人近い部員がおり、4月には新入生も20人ほどは入りそうだということで、さらに所帯は大きくなりそうだ。
都立西は先発の合田君が死球でややリズムを崩して、「おや?」と思っているうちに突け入れられたのが悔やまれる。
(文・手束 仁)