駒場学園vs都立板橋
14日から開幕した東京都春季大会一次予選。グラウンドの広さが内野ほどの広さしかない駒場学園。そんな中、都立板橋に完封勝利。この試合のピックアッププレイヤーを紹介!
駒場学園の江田淳之介が伸びのある直球を武器に11奪三振完封勝利!
江田淳之介(駒場学園)
駒場学園は世田谷区にある学校で、グラウンドは人工芝で内野ほどの狭さしかない。そして公営グラウンドが借りられる日もわずか。そんな環境の中、駒場学園が取り組んできたのは体作りである。選手たちがアップする姿を見ると、実に鍛えられているのが分かる。
そんな中で、もっとも活躍を見せたのが先発の江田淳之介だ。183センチ76キロと恵まれた体格をした右の長身投手で、がっしりした腰回りを見れば、しっかりとトレーニングを積んできたのが分かる。しっかりと土台を築き上げた江田はフォームが実に安定していた。
左足をゆったりと引き上げて、支える右足はしっかりと立って軸のバランスが良い。そのまま左足を接地してからテイクバックは内回りの旋回をしていきながら、右ひじをしっかりと上げて、打者よりでリリースすることができる。球速こそ、125キロ前後なのだが、都立板橋打線が次々と空振りする。
2回裏に3三振を奪うと、ここから奪三振ショーが始まる。3回裏には2奪三振、5回裏には2奪三振で、6回裏には無死満塁のピンチ。ここがこの試合の山場だったが、都立板橋の3番宮城、4番中村を連続三振に打ち取り、ピンチを切り抜けると、その後も好投を続け、被安打5、11奪三振で、見事に完封勝利を挙げた。
最後までストレートの威力が衰えず、何より攻める気持ちを忘れなかった。江田の好投に対し、駒場学園の木村泰雄監督は、
「彼は手足も長いし、しっかりと腕が振れるので、ボールに角度がありますよね。また攻める気持ちを忘れなかったのが良かったです」と評価した。
反省点としては打撃について。1回表、一死三塁から3番富雄の犠飛で先制し、2回表にも、8番川崎、9番山口の適時打で2点を追加し、3対0。3回表、内野ゴロの間に1点を追加したが、3回以降、無得点に終わったことに、「あと一押しできないのがうちの課題ですね。今後もここを課題にしてやっていきたいと思います」と攻撃面の強化を課題に挙げた。
とはいえ、限られた環境の中で、3月での公式戦。まだ慣れないこともあるだろう。その中でも、江田のように持ち味を示して、勝利したのは、大きな収穫だろう。江田だけではなく、エースの佐橋 徹、俊足堅守の中堅守・大久保健汰と楽しみな選手が実に多い。彼らの潜在能力をさらに引き出すには勝ち進むしかない。
ピックアッププレイヤー
松本 将(都立板橋) 174センチ62キロ 投手 右投げ右打ち
駒場学園打線を4回以降、無失点に抑えた右のサイドハンド。球速は120キロ~125キロ前後ながら、しっかりと腕が振れる上に、スライダーも手元で一気に切れるので、なかなか打ち難さがある。なんといってもマウンド度胸が良いこと。今後も注目を集める存在になるだろう。
(文=河嶋 宗一)