試合レポート

都立広尾vs昭和鉄道

2014.07.11

都広尾、3投手で7回コールドの完封リレー

 天気予報では昼頃から雨となっていたが、雨は降らず、無事に試合は行われたものの、台風の影響による強風は、選手を悩ませた。

 7月10日、[stadium]神宮第二球場[/stadium]の第2試合は、春季都大会ベスト4に進出した日大鶴ヶ丘と1対1、延長15回引き分け再試合となる快投をし、一躍注目をされるようになった好投手・舛田 崚を擁する都立広尾が登場するとあって、ネット裏にはプロのスカウトをはじめ、大勢の観客が詰めかけた。

 もっとも、都立広尾の先発はスカウトのお目当ての舛田ではなく、背番号20の2年生・小山 岳裕であった。

 小山はがっちりとした体型から、力のある球を投げ、昭和鉄道打線を3回、2安打に封じる。
4回からは背番号10の2年生・高嶺 智が登板。サイドからキレのある変化球を投げて、3回を1安打。
トーナメントを勝ち進んでいくには、舛田に次ぐ、2番手、3番手の投手が不可欠だが、今大会のみならず、来年以降にも期待を抱かせる好投であった。

 一方、昭和鉄道は背番号10の3年生、左腕の石川 大輝が先発。スローカーブなどを中心に緩急をつけた投球が持ち味だ。

 けれども都立広尾は、小刻みに得点を重ね、石川を攻略。
2回裏には7番小川 大雅の左前適時打でまず1点。なおこの後、8番長江 正樹のバッテリー間に上がる高いフライを捕球しようと、投手と捕手が衝突。大事には至らなかったが、石川が一時倒れ込むアクシデントがあった。


 3回表は、二塁走者若井 幸誼が三盗すると、昭和鉄道の捕手・門馬 雄太は三塁に悪送球。若井が本塁を陥れて2点目。

 4回表には、若井、二見知希の長打などで2点を追加。
さらに5回に1点が入ったところで石川に代わり、背番号1の秋間 智希が登板。秋間はスライダー、カーブを主体とした投手であるが、制球が定まらず、6回に3安打3四死球などで3点を献上した。

 7回からはレフトを守っていた近江 星哉が登板。安打、四球、失策による走者は出したものの、牽制で刺すなどして0点に抑えた。

 8対0と8点をリードした7回裏、都立広尾のマウンドには、エース・舛田が上がった。

 1イニング限定とあって力んだのか、先頭打者には四球を出したものの、140キロ台のストレートにスプリットなどを混ぜて昭和鉄道打線を翻弄。
後続をしっかり抑えて、都立広尾が7回コールドで初戦を飾り、幸先のいいスタートを切った。

 筆者が昭和鉄道の試合を観るのは、3月23日の春季大会のブロック予選決勝以来である。
この試合では秋間、石川とも自滅し、八王子実践に5回コールド負けしている。

 あの試合に比べれば、都立広尾戦は敗れたとはいえ、落ち着いた試合運びだった。途中からマウンドに上がった秋間や近江はまだ2年生。夏から冬にかけて、もうひとまわり成長することを期待したい。

(文=大島裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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