試合レポート

浦和学院vs沖縄尚学

2014.05.26

力と技と試合へ臨む姿勢を見せてくれた浦和学院!

浦和学院vs沖縄尚学 | 高校野球ドットコム

完封勝利を挙げた小島投手(浦和学院)

 昨年の全国選抜高校野球大会優勝校で、今春季県大会も制覇した埼玉県強豪校のひとつ、浦和学院を招いての第 43 回沖縄県高校招待野球試合が、5 月 24,25 の両日に[stadium]沖縄セルラースタジアム那覇[/stadium]にて行われた。

 梅雨時期の沖縄は、この前日までもやっぱり雨。ところが浦和学院が来沖とともに快晴をも運んできてくれたのだろうか。風は強いものの、絶好の週末野球日和となった。

 迎え撃つ県勢校は、夏の選手権大会シード4校。昨年明治神宮大会覇者の沖縄尚学、秋季九州大会準優勝の美里工、春季県大会優勝の糸満、秋季4位、春季準優勝の宜野座が、全国レベルの野球を魅せる”うらがく”野球の胸を借りた。 オープニング式典でマウンドに一列にならんだ浦和学院。部長の小島先生が部員紹介をする際、「はい。小島 和哉です。宜しくお願いします!」「はい。田畑 瑛仁です。宜しくお願いします」と背番号順に挨拶をしたのだが、その声がスタジアムの観客席でこだまするくらいに元気良く、且つ試合に入ると、指導者が間違いなどを正す前に選手同士で声を掛け合うなど、試合に臨む姿勢という点でも随所に高校野球らしさを魅せてくれた。

 では4試合毎に試合内容を見ていくことにしよう。

 選抜優勝投手である小島 和哉と、明治神宮優勝投手である山城 大智のエース対決が実現した第一試合。先制したのは浦和学院だった。 3回裏、一死から小島 和哉自身がレフトへ二塁打を放ちきっかけを作ると、9番に座った石森 亨がレフト前へ運び一・三塁。ここで臺浩卓が逆らわずに三遊間を割る先制タイムリー。下位からとは思えない見事な集中力を見せた三連打だった。

 マウンドの小島 和哉は、いきなり赤嶺 謙にレフト前へ運ばれ(虚をつき二塁を狙うもアウト)、西平 大樹に四球を与えるなど不安な立ち上がりも、2回以降は抜群のキレで沖縄尚学打線を黙殺。8回を終えて初回の先頭打者のヒット1本のみに抑える快投でチームの追撃を待ち続ける。そして8回裏、四球と2つのヒットで一死満塁とすると3番津田 翔希のセンターを襲う一層のタイムリーで3点を奪うと、変わった眞栄城 健の悪送球で1点。そして秋山 大将のライトへの三塁打で2点を加えて大量6点をボードに刻んだ。

小島 和哉は最終回に中村 将己にヒットを打たれるも危なげなく完封勝利。124球2被安打8奪三振1四球と完璧なピッチングで観る者全てを魅了した。 選抜大会、春季九州大会、沖縄・熊本交流、熊本 RKK 招待野球と目が回るような日程をこなしてきた沖縄尚学ナインに、その疲れが無かったかと言えば嘘になるだろう。あとはもう、その疲労を抜きつつ、最後の夏への選手権大会へ向けて、焦らず徐々にギアを上げていくだけだ。

(写真・文=當山 雅通)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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