Interview

智辯学園高等学校 岡本 和真選手

2014.03.19

 今年の選抜大会ナンバーワンスラッガーとして注目されているのが、智辯学園岡本 和真選手。1年春から試合に出場し、2年秋の時点で通算本塁打56本という岡本選手のバッティングの秘密とは?最近の成長や、練習中に意識していること、選抜大会での目標などについて、話を聞いた。

第10回 BFA 18Uアジア選手権

智辯学園でのプレーは小学生時代からの目標

岡本 和真選手 智辯学園(奈良)

――野球を始めたきっかけを教えてください。

岡本 和真選手(以下「岡本」) 8歳上の兄と3歳くらいの時からキャッチボールをしていて、気が付いたら野球に親しんでいた感じです。小学校に上がると同時に地元の「カインド」という少年野球チームに入団しました。

――少年野球時代のポジションは?

岡本 小4から小6までは4番でピッチャーでした。

――中学時代は「橿原磯城シニア」でプレー。体は当時から大きかったのですか?

岡本 中3で180センチ83キロでした。最後、日本代表としてアメリカに2週間遠征した時に現地の食べ物を食べすぎたせいか、帰国した時には93キロまで増えてしまって。それ以降、93キロ以下になったことはないです。太りやすい体質なんですよね…。

――ピッチャーを主にやっていたそうですが、それだけの体があったら中学時代からかなりのボールを投げていたんじゃないですか?

岡本 中3で135キロくらいでした。でも最後ははく離骨折をしてしまい、ケガで投げられなかった期間がけっこうありました。智辯学園に入った時もはく離骨折の影響でピッチャーができる状態ではなかったんです。

――高校野球の舞台として、智辯学園を選んだ理由はなんだったのですか?

岡本 小学校の時から智辯で野球をやるのが夢でした。地元五条市の強豪ですし、ユニホームもカッコいい。智弁学園のユニホームを着て、甲子園のマウンドに立つのが目標でした。

――1年春から試合に出場し、2年秋の時点で通算本塁打は56本。2年生だけですでに48本も放っています。

岡本 中道さん(中道 勝士・現明治大)が通算28本だったので、卒業までにその数字を超えられたらいいなと思っていたのですが、気が付いたらこんな数字になっていて……。

――56本のうち、約半数がセンターから右方向に叩き込んだものですが、打つ方向は意識しているのですか?

岡本 練習試合や練習では課題を持って、打つ方向を決めて打ったりもしますけど、公式戦では来た球に逆らわず思い切り打ちにいった結果、逆方向に入った、という感じです。

――今日の打撃練習を見ていても、センターから右の打球を意識的に打っているように見えました。

岡本 引っ張ってレフトに放り込んだらその時は気持ちがいいとは思うのですが、そんな姿勢で練習をしても身にならないので。一見地味に見えるかもしれないですけど、逆方向に低い打球を打つことを意識しながらフリー打撃をすることが多いですね。

第10回 BFA 18Uアジア選手権

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[page_break:バッティングで意識していること]

バッティングで意識していること

平成25年度秋季近畿地区高等学校野球大会 準々決勝(対龍谷大平安)の打席に立つ岡本 和真選手 智辯学園(奈良)

――現在、バッティングで意識していることはどういったことですか?

岡本 監督からは『肩に力を入れないようにしつつ、大きく構えて、威風堂々とした雰囲気を出せ!』といわれているので、その点を意識してます。技術的には、体が突っ込んでしまう傾向があるので、軸足に体重を残しながらしっかりと軸で回ることを心がけています。

――インコースのさばき方が格段に進歩したと、小坂監督が褒めていました。

岡本 以前は、『インコースがきた!』と分かった時点で、体を開いて打ちに行っていたのですが、そうすると余計にボールに詰まることがわかりました。今はインコースを打つ時ほど、開きを我慢して、ボールを引きつけ、体の回転でクルッとさばく感覚をだいぶ体で理解できるようになりました。とっさに反応できるようになりましたから。

――なるほどですね。以前よりも感覚が掴めてきたのですね。

岡本 前はインコースを無理にフェアゾーンに入れようとしていたのですが、ファウルでもいいから強い打球を打てば相手バッテリーだって嫌なはず、と思えるようになったことも大きいですね。

相手バッテリーの心理がわかるようになってきた

岡本 和真選手 智辯学園(奈良)

――しかし、打てば打つほど相手バッテリーはまともに勝負をしてこなくなり、自ずと四球も増える。昨秋の近畿大会の準々決勝(2013年10月26日)では4打席中3打席で歩かされました。

岡本 以前は『打ちたい!』という気持ちが空回りし、ボール攻めにイライラして、ボール球を追いかけて結果凡打してしまうことがよくありましたが、監督さんに『そういうところがあかん!』と叱られて。そこからは無理にボール球を追いかけないことを強く意識しています。歩かされても不満そうにするよりは笑顔で一塁に向かったほうが、チームの雰囲気は悪くならないと思いますし、相手バッテリーだって嫌なはずだと。

――イライラした態度を見せたら相手の思うツボだということでしょうか?

岡本 そうなんです。ノーアウトで歩かされることもありますが、わざわざ先頭打者を出塁させてくれているわけですから、そこは喜んじゃえばいいんだなと。

――相手バッテリーの心理もかなり読めるようになったのですね。

岡本 そうですね。自分には甘いストレートを投げてくる確率よりも、ボール気味の変化球を振らせにくることが多い。初球からのフォーク攻めも十分ありうるからと、頭にフォークを入れながら、いきなり振っていくようなこともできるようになりましたし。

――確かにそうですね。フォアボールが増えた理由がよくわかりました。

岡本 フォアボールが増えた分は、相手が自分を認めてくれた証だと思うようにしています。でも監督さんからは、『アマチュア野球なので、1試合に必ず何球かはホームランを打てる甘いところにボールはくる。そのボールを1球で仕留められるようになれ!』と常々言われています。そのアドバイスが2年生になってからの48本につながっている気がします。

第10回 BFA 18Uアジア選手権

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[page_break:目標は全国制覇!]

目標は全国制覇!

岡本 和真選手 智辯学園(奈良)

――ホームランを打つために練習メニューの中で意識してることはなにかありますか?

岡本 ティー打撃の際に、ボールをためるための穴に入れることにこだわらないことでしょうか。やはり角度をつけないとスタンドには入らないので、ネットに打ち返すときも顔の高さくらいの位置に打ち返すことを中学の頃から意識しています。

――それだと、たしかにティー用のネットの円の中に入らないほうが多くなりますね。

岡本 そうですね。たまに自分の方に跳ね返ってきたりして、危ないのですが…(苦笑)。

――実際に投球を打ちにいくときはボールにバックスピンをかけるイメージを持っているのでしょうか?

岡本 実際にピッチャーの球を打ちにいくときはスピンをかけることは意識しないですね。

――そうなんですか。

岡本 意識した時期もあったのですが、スピンがかかった投手の球に対して、ボールのやや下を叩いてスピンをかけにいくと、自分の場合はファウルチップになることが多くて…。そのため、ボールの芯を打ち抜くイメージでインパクトを迎えるようにしています。まともにとらえたらスピンをかけなくてもスタンドのどこかに入ってくれるという感覚があるので、しっかりととらえることだけを考えたほうがいいなと。

――岡本選手の場合は、ライナーでもスタンドに入りますね。

岡本 自分の場合はライナーで逆方向にも入りますし、ドライブがかかりながらでも左中間に叩き込むことができるので。これからもシンプルにボールの芯を打ち抜く意識でいきたいと思っています。

――プロ野球で好きな選手はいますか?

岡本 埼玉西武の中村 剛也選手ですね。力が入っていないように見えて飛距離が出せる柔らかいバッティングにはものすご憧れます。究極の技術だと思うし、自分の理想なので、少しでもあの域に近づいてみたいですね。

――将来の夢はやはり中村選手のようなホームランバッターですか?

岡本 そうですね。プロ野球に入って中村選手のように活躍したいですね。そしていずれはメジャーリーグでプレーしてみたいです。

――投げては最速144キロを計測する右腕でもある岡本選手。甲子園での登板も十分あり得ますね。

岡本 はい。そのつもりで頑張りたいです。

――大会ナンバーワンスラッガーとして相当注目されると思います。

岡本 そういったプレッシャーにも打ち勝っていかないといけないと思うので…ぜひ勝ちたいです、そういった重圧にも。

――選抜大会の開幕がいよいよ始まります。抱負をお聞かせください。

岡本 目標は全国制覇です。これまでの智辯学園の甲子園における最高成績であるベスト4を超えるためにみんな必死で毎日練習してきたので、有言実行といえる結果を出せるように頑張りたいです。

(インタビュー・服部 健太郎

 岡本選手、ありがとうございました!大会ナンバーワンスラッガーとして注目されている岡本選手のバッティングの秘密をいろいろと聞くことができました!選抜大会での活躍を期待しています!

第10回 BFA 18Uアジア選手権

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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