試合レポート

日体荏原vs芝浦工大高

2013.10.20

吠える男・柴田大地の好投で日体荏原がベスト16進出!

日体荏原vs芝浦工大高 | 高校野球ドットコム 

柴田大地(日体荏原)

 昨秋4強の日体荏原とベンチ入り13人の芝浦工大の対決。まず先制したのは日体荏原だった。

1回裏、1番斎藤 昭輝(1年)が左中間を破る三塁打を放ち、2番古川 司盛(1年)の犠飛で、1点を先制。だが4回表、芝浦工大高は一死二塁から4番浅井 陸(2年)が左超え二塁打を放ち、1対1の同点に追いつく。4回裏、4番村越 将太(2年)が右横線を抜ける二塁打を放つと、5番大石 一真(1年)の左前適時打、6番丸岡 銀河(1年)の犠打で一死二塁とすると、7番小野澤 佑記(2年)の適時打、相手野手の失策などで計4点を追加、さらに5回裏には6番丸岡の犠飛で1点を追加。

7回表、芝浦工大高は二死二塁から9番高木 黎(1年)の適時打で1点を返し、5対2とする。

7回裏、日体荏原は村越の2ランホームランで2点を追加。182センチ75キロと恵まれた体格を誇る大型遊撃手。体格自体は素晴らしい。グリップを高めに添えて、タイミングの取り方もゆったりとしている。

4回の二塁打は直球、7回の本塁打は高めに入った変化球だった。ブロック予選のときよりもタイミングの取り方がよくなり、打ち損じることなくボールを捉えることができている。徐々に潜在能力の高さを発揮してきた。

日体荏原は村越の2ランの後、二死一、二塁から8番植松 諒太(2年)の適時打、9番柴田の代打森村 光(2年)が打席に立つ時に一塁牽制悪送球が飛び出し、ライトが本塁を想定してバックホームしたが、その送球が逸れて二塁走者が生還し、コールドが成立した。


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先発の島田(芝浦工大高)

 9得点した内容を見ると、初回の三塁打から犠牲フライ、4回の集中打、5回の犠牲フライ、7回の2ランホームランなどよかった。だが走塁ミスが多く、アウトを与えてしまったのが気になった。その点について本橋監督はしっかりと指摘していた。
「打撃は良かったですが、走塁でミスが多かったですね。積極的な姿勢は買いますが、どの場面で走れば、セーフになるのか、アウトになるのか、その判断がまだできていない」
積極的な走塁もしっかりとした判断力があって成り立つもの。次の試合では佼成学園戦。
「もう力以上のものを出すことはできませんから。相手を意識することなく、私たちは一つ一つのことをしっかりとやっていきたいと思います」
特別なことはせず、自分たちの野球を心がけることを決めた。

最後に本日好投の日体荏原の先発・柴田 大地(1年)を紹介したい。彼の特徴は1球ごとに吠える。特に追い込んだ時はさらに声のボリュームを大きくする。ガッツポーズを見せる気迫触れる投手だ。気になるのはどういうきっかけで投球時に吠えるようなったのか。本人に直接聞いてみた。

「投球に力を入れるときに大きな声を出すと、力が出ると聞いたので、今年の8月にやりました」
なるほど。ためらいもなく出来る行動力は素晴らしい。1年生に鈴木健介がいるが、鈴木はオーソドックスな投球フォームから回転の良い直球 とスライダーを投げ分ける完成度の高い右腕。柴田はテークバックの際に右ひじが高く上げてからスリークォーター気味に腕を振っていく。吠えて直球主体のスタイルで攻める。本橋監督は
「直球の勢い自体は鈴木より上回るものがあります」
評する。まだ気持ちが入りすぎて空回りすることはあるが、力量的には差はなく、切磋琢磨して伸びて欲しい投手である。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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