東海大相模vs横須賀総合
焦点はひとつ
2年ぶりの優勝を狙う東海大相模が初戦を迎えた。
相手は、開幕戦で向上を3対2の逆転サヨナラで下した横須賀総合。エース山口智弘が最少失点に抑え、守備からリズムを作った。
東海大相模・門馬敬治監督は開幕戦をずっと見ていた。焦点はひとつ。向上の打線が、山口をなぜ打てないのか。ストレートのスピードは130キロにも満たない。それでも、芯でとらえる打球は数えるほど。ゴロアウトが目立っていた。
「ボールが動く。純粋なストレートがほとんどない」
いわゆるツーシームだ。握りをずらし、ボールを動かす。
厄介なのが右バッターの内に落ちながら食い込む球と、左バッターの外に逃げる球だった。これを引っ張ると術中にはまる。センターから逆方向に打ち返す。ミーティングで徹底し、試合にのぞんだ。
1回、相手ミスと3本のヒットで2点を先制すると2回表にはキャプテン磯網遊斗にタイムリーが生まれ、3対0と突き放した。
2回までの4安打のうち、3本がセンターから右への当たり。いずれも、右バッターが放ったものだった。
6回表には遠藤裕也のセンター前、桒原拓朗のレフト前でチャンスを作ったあと、櫛山弘人の内野ゴロがセカンドのエラーを誘い、1点を加点。9回には3本の長短打で3点を奪い、7対0と勝負を決めた。
結局、計12安打のうち8本がセンターから逆方向へのヒット。
「一度、(相手の)試合を見ることができてよかった」と試合後の門馬監督。十分に対策を立て、厄介なピッチャーを攻略した。
投げるほうでは、ともに1年生の青島凌也、佐藤雄偉知のリレーで完封勝利。2人で計13もの三振を奪い取った。
大事な初戦に1年生を使う起用法を見ると、今後の強豪校との試合でも登板がありそうだ。
(文=編集部)