浦和学院vs春日部共栄
2010年10月04日 大宮公園球場
浦和学院vs春日部共栄
2010年秋の大会 秋季埼玉県大会 決勝
歓喜の浦和学院ナイン
浦和学院が秋季大会2連覇！１年生佐藤 2安打完封
「横綱」
埼玉で浦和学院と言えば、まさにこの言葉があてはまるだろう。
ここ2年、夏の甲子園出場は逃がしているものの、この5年でいうと、秋・春・夏 と1年にある三大会のどこかで必ず優勝をかざっている。
代が変わっても強さを維持し続ける浦和学院。
新チームも、前チームを支えた主力のほとんどが引退し、スタメンで残っているのは3番ショートの小林のみだが、決勝までをコールドで勝ちあがってきた。
対する春日部共栄は、久しぶりの決勝進出。
好投手の竹崎を擁し、夏のメンバーも多く残る。
経験の差が影響しやすい秋季大会で、これは大きなアドバンテージだ。
この決勝戦では、浦和学院打線が竹崎を相手にどれだけ打てるのか。
また浦和学院の前チームは阿部・南・萩原と投手陣が厚かっただけに、経験の少ない新しい投手陣がどのくらい通用するのか。
新チームの実力を試される試合となった。
先発は、春日部共栄はエース竹崎、浦和学院は準々決勝の聖望学園戦で五回参考ながらノーヒットノーランを達成した佐藤。
グランド整備をはさむ5回までは両校無得点。
ここまでに浦和学院の佐藤は春日部共栄打線を１安打に抑え、春日部共栄の竹崎は5安打を許し得点圏にランナーを背負いながらも要所を締めてピンチを凌いでいた。
緊張感のある投手戦となっただけに、先取点の行方が重みを増していた。
試合が動いたのは6回。先攻の春日部共栄はこの回先頭の8番若山に待望のヒットが出た。ここで送りバントとワイルドピッチで１死3塁のチャンスを得たが、後続が続かずチャンスをものにできない。
2安打完封の佐藤拓也(浦和学院)
このピンチを凌いだ直後の浦和学院にチャンスが巡る。2死ながら7番石橋が四球で出塁すると、8番柴崎の打球はショートのエラーを誘い2死1、3塁のチャンスとなった。
ここで9番荒井のライト前タイムリーを放ち、浦和学院が待望の先制点をあげた。
更に続く1番佐藤もレフト前タイムリー2ベースで続いてこの回2得点を挙げた。
浦和学院は8回にも2死から8番荒井がライト前ヒットで出塁すると１番佐藤のタイムリーで１点を追加。
試合はこのまま浦和学院が3対0で春日部共栄を下し、2年連続秋季県大会を制覇した。
終わってみれば、浦和学院は春日部共栄の竹崎から10安打を放ち、投げては１年生右腕の佐藤は時折打者がのけぞるほどに内角を攻めて、2安打完封の好投を見せた。
今年も埼玉の高校野球界の中心には横綱「浦和学院」あり。
改めて浦学の強さを示した試合となった。
なお、決勝戦を戦った浦和学院と春日部共栄、3位決定線で浦和実に勝利した鷲宮の3校は10月30日から11月3日に埼玉にて行われる関東大会へ出場する。
（文＝高校野球情報.com編集部）
