試合レポート

桐蔭学園vs日大藤沢

2010.04.16

2010年04月17日 俣野横浜薬科大学スタジアム

桐蔭学園vs日大藤沢

2010年春季神奈川県大会 県大会 3回戦

一覧へ戻る

2年生右腕藤岡 投打に渡る活躍で桐蔭学園4回戦進出!

今日は東京で降雪が観測され、前日の雨により開催が危ぶまれたが、時間を遅らして、試合を行った。俣野横浜薬科大学スタジアム(以下ヤクスタ)では強豪校同士の対決。関東大会出場の桐蔭学園と07年選抜出場経験のある 日大藤沢 の対決だ。試合は予定時間から1時間4分遅れて12時4分にプレーボール。

 日大藤沢 の先発後藤(背番号10)をつけたオーソドックスな右投手。ストレートは130キロそこそこだが、スライダーとチェンジアップを交えて打たせて取る投球が持ち味だ。桐蔭学園打線は後藤を攻め立てる。ワンアウトから2番安田がセンター前ヒット。ツーアウト二塁から4番渋谷がライト前ヒットで、1,3塁とチャンスを広げて、5番若林がライト前ヒットで桐蔭学園が先制する。

 対する桐蔭学園の先発内海(うちうみ 2年)は期待の大型左腕。だが、調子が芳しくないようで、1番石橋にセンター前ヒットを打たれると、2番篠原にはフォアボールを許して、ノーアウト1,2塁。バントで送ってワンアウト2,3塁となって4番島仲にはフォアボールでワンアウト満塁。5番三戸がライト超えのタイムリー。これでまず1点先制。だが、バッターランナーの三戸が飛び出し、挟まれる。挟殺プレーの間にもう一人ランナーがかえり、2点目。そして6番落合にセンターオーバーのツーベースを打たれて、この回3点目。 日大藤沢 が試合の主導権を握る。

 桐蔭学園の内海は2回には三者凡退に切り抜け、復調の兆しが見えたかとおもったが、3回に三者連続四球を与えてしまい、内海はここで降板する。内海に代わってマウンドに登ったのは2年生右腕藤岡。ワンアウト1,2塁(最初に四球をもらった打者が盗塁死によりワンアウト)から登板となった藤岡。藤岡は常時130キロ台後半のストレートに、切れのあるスライダーでこの回のピンチを切り抜ける。両投手が抑えて、0点行進。

 そして6回の表をむかえた。桐蔭学園の先頭はここまで1安打の渋谷。渋谷は甘く入ったチェンジアップをレフト線へ運ぶツーベース。5番若林もこの日2安打目となるセンター前ヒットでノーアウト1,3塁。6番加藤に代わって、代打の高橋が1点差に迫るレフト前タイムリー。そして犠牲フライにより同点に追いつく。藤岡の好リリーフとこの同点劇により、流れが桐蔭学園に傾きつつあった。そして8回。先頭の渋谷がフォアボールで出塁。ワンアウト1,2塁となって、7番に入っている藤岡がセンター前タイムリーで勝ち越し。そして8番岩崎がスクイズ。5対3と貴重な追加点を入れた。9回の表、1,3塁から相手バッテリーの隙をついて、ダブルスチールを敢行。ダブルスチールは成功し、6対3と貴重な追加点を入れる。

 そして9回の裏、桐蔭学園藤岡がレフトフライ、センターフライ、そして最後の打者を得意の速球で見逃し三振に打ち取り、ゲームセット。桐蔭学園は逆転勝ちで3回戦に進出した。
やや初回こそ硬さが見られた桐蔭学園ナインだが、自慢の粘り強さを発揮して、逆転勝ちした。逆転勝ちの流れを呼び込んだのは藤岡の好投だろう。最速140キロのストレートに、切れの良いスライダー、カーブ、チェンジアップで 日大藤沢 打線を完全に沈黙させた。

彼の好投によりリズムが生まれて、桐蔭学園らしい粘り強い攻めで同点に追いつくと、藤岡が勝ち越しのタイムリーを打った。まさに投打にわたる活躍で、勝利に貢献した。強豪 日大藤沢 に逆転勝利した上に、2年生藤岡の活躍。これで勢いに乗れるのではないだろうか。桐蔭学園は内海、藤岡、石垣と投手陣は充実しているだけに、勢いは一過性なものではなく、今大会通して続いていきそうだ。
桐蔭学園は日曜日、横須賀スタジアムで日大高と対戦する。

(文=高校野球情報.com編集部)


[:addclips]

[:report_ad]

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.24

2連覇ならず…浦和学院、頼みの投手陣が崩れ、春日部共栄に逆転負け

2024.07.25

【ポニー】春夏連覇を阻止して初優勝!筑後リバーズが夏の日本一に輝く

2024.07.24

帝京単打攻勢で淑徳を圧倒!伏線になったのは「春の本塁打量産」【24年夏・東東京大会】

2024.07.24

関東一 春のリベンジを果たし準決勝進出!修徳の荒井監督はこの夏で監督を退任【24年夏・東東京大会】

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」