侍ジャパンU-18日本代表vsカナダ代表
奥川でなければ、ひやひやの試合展開だったカナダ戦
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18奪三振の快投を見せた奥川恭伸(星稜)
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奥川恭伸の18奪三振!相手のミスで点数を重ねた日本がカナダを下す!【カナダ戦】
2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップはスーパーラウンドに突入。侍ジャパンU-18代表はカナダ代表と対戦し、5対1で勝利した。これで日本は、対戦成績を2勝1敗とし、アメリカ、チャイニーズタイペイ、オーストラリアに並んだ。
スーパーラウンド出場6か国の中でトップのチーム打率.320を誇るカナダ。カナダ打線について日本の首脳陣は、「ストレートに強いが、緩急には弱い」というデータが出していた。緩急を最も使えるスターターピッチャーは、奥川恭伸(星稜)しかいなかった。
その奥川は、甲子園決勝戦以来のマウンドとなった。実戦から遠ざかったが、約2週間、調整期間を作ったことで、奥川の力を100%発揮することができた。
常時140キロ後半、最速151キロのストレートで空振りが奪い、さらに、120キロ後半の縦スライダーがカナダ打線に使えるとみて、縦スライダーを軸に投球を組み立てていった。立ち上がりから奪三振ラッシュ。しかし4回表、4番・ディオダティがタイムを取ったことに気を取られ、甘く入ったストレートを打ち返され、先制本塁打を許す。
しかし、日本は5回裏。敵失と3番韮澤雄也(花咲徳栄)の適時打で、2対1と勝ち越しに成功。さらに7回裏には、敵失と押し出しで3点を入れて、5対1と突き放した。
ただ、この5点は相手のエラーが中心で相手に救われた部分が多々ある。さらに、勝ち越した5回に、スクイズ失敗など、反省材料が多くみえた試合となった。打撃内容、戦術面、走塁などを振り返っても、奥川でなければ危ない試合展開だった。
この日の勝利の立役者となった奥川は、7回を投げ、103球、18奪三振、1失点の好投。7回二死、100球を迎えたところで、奥川―山瀬のバッテリーは3球三振を狙いに行き、105球を超えることなく、7回を投げ切った。奥川はわずか1試合で、奪三振ランキングのトップに躍り出た。まさにアンビリバボーな三振劇だった。
8回表、飯塚 脩人(習志野)は、「奥川が作った良い流れを壊すわけにはいかない」と気合満点のピッチング。最速151キロのストレートを軸に2奪三振の快投を見せ、2人の投手リレーで20奪三振とカナダを圧倒した。
次は宿敵・韓国と対決。決勝進出のために絶対に落とせない試合だ。
(文=河嶋宗一)