「カップ麺」食べたくなるけれど、球児は食べても良いの?注意することは?
アスリートは、どう「カップ麺」と向き合えばよいのか?
カップ麺はあくまでも「非常食」という認識で。普段の食生活を充実させるようにしよう。
カップ麺をはじめとするインスタント食品は「健康によくない」と思われている一方で、練習の前後や寝る前にどうしてもお腹が空いてしまったときなどの補食として、小腹を満たすにはとても重宝する食品でもあります。アスリートとしてはインスタント食品とどのように付き合っていけばいいのでしょうか。
【インスタント食品の特徴】
カップ麺の主成分は炭水化物(糖質)と脂質です。これらの栄養素は「身体を動かすエネルギー」として必要不可欠なものですが、カップ麺を主食にするのではなく、三食の食事で炭水化物と脂質を補っていくことがまず基本であることを覚えておきましょう。また筋肉を始めとする身体の材料になるタンパク質や、ミネラルやビタミン類などは、カップ麺では十分に補給できないということも理解しておきましょう。
【習慣化すると脂分・塩分過多になりやすい】
カップ麺は油で下処理をされていることが多く、日常的に食べていると脂質を余分にとりやすくなる傾向が見られます。また味付けも食べやすさを考慮して濃い目のものが多いので、塩分についてもとりすぎる傾向があります。さらに保存料としてミネラル分の一つであるリンが使われていますが、こちらも過剰にとりすぎるとカルシウムの吸収を阻害するといわれています。こうしたことからカップ麺を習慣的に食べることは、特定の栄養素を過剰にとりやすくなるため、食べすぎには注意する必要があります。
【過不足を他の食品で補う】
日常の食生活では栄養バランスを考慮し、エネルギー源となる炭水化物、脂質、そして体づくりには欠かせないタンパク質といった三大栄養素とともに、身体の機能を調整するビタミン・ミネラル分を意識してとるようにしましょう。カップ麺を毎日のように習慣的に食べるのではなく、非常食的な役割としてたまに食べる分にはさほど問題にはならないと思います。ただし塩分や脂質、リンなどの栄養素が過剰摂取にならないよう、スープをすべて飲み干さずに残したり、他の食事時に塩分や脂質のとりすぎに気をつけるといった配慮は必要です。ビタミン・ミネラル分を多く含む野菜や果物、カルシウムを多く含むチーズやヨーグルトといった食品などを積極的にとり、栄養バランスを保つように心がけましょう。
文:西村 典子
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