歯が折れてしまったらどうする?
歯が折れてしまったらどうする?
歯が折れてしまったり、欠けてしまったら乾燥を防いですぐに歯科医院を受診しよう
野球はノンコンタクトスポーツといって比較的接触プレーの少ない競技として知られていますが、硬いボールを使ってプレーをするため、場合によってはデッドボールやイレギュラーバウンドなどによって顔面付近を直撃することがあります。頭を強く打った場合は脳神経外科、顔面の骨折が疑われる場合は形成外科のある大きな病院を受診することが原則ですが、口元付近にボールが当たったり、転倒して顔面を強打し、歯が折れてしまった場合はどうすれば良いでしょうか。
歯が折れてしまったり、一部が欠けてしまった場合、折れてしまった歯の部分を必ず持参して歯科医院(口腔外科)を受診することが大切です。欠け落ちてしまった歯がそのまま元通りに修復できるかどうかは、歯の根元にある「歯根膜」という組織がどのくらい損傷しているかに左右されると言われています。元通りに戻るケースは少ないと言われていますが、まずは折れた歯の部分を保護しながらすぐに受診するようにしましょう。歯が根元から抜けてしまった場合も同様で、歯の乾燥を防いで早く受診することが大切です。受診時間の目安は30分程度とかなり短いため、受傷した時点ですぐに受診できるかどうかを、あらかじめ受診希望の歯科医院に電話で確認をしておくことをオススメします。
また歯の乾燥予防には生理食塩水や牛乳などにつけて持参することを勧めている情報が多くみられますが、成人の場合は口の中に入れた状態にして、唾液で乾燥を防ぐようにすることが現場で実践しやすいと言えるでしょう。ただしこの場合は歯をうっかり飲み込まないように気をつけましょう。また牛乳よりもより適切なものとしては卵の白身に歯を浸して持参するとよいそうです(実際に歯科医院でアドバイスをいただきました)。グランドで受傷した時にすぐに卵の白身を準備するのはむずかしいと思いますが、こうしたことも覚えておくと役に立つ場合があるでしょう。
接触プレーによる歯の欠損は予防が難しいケガと言えますが、適切な応急処置を知り、すぐに歯科医院を受診することがその後の歯の修復に大きな影響を及ぼすことを覚えておきましょう。
文:西村 典子
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