小1時に被災の大阪桐蔭・松浦慶斗。亡き友への思い胸に「2度も負けない」
大阪桐蔭・松浦慶斗
3月19日に開幕する第93回選抜高校野球大会の初戦で、智辯学園との対戦が決まった大阪桐蔭。左腕エースとして注目を集める松浦慶斗投手は、東日本大震災で亡くなった友の分まで全力でプレーすることを心に誓っている。
2011年3月11日、当時は小学1年生で宮城県石巻市に住んでいた松浦。授業終わりの下校途中に津波が押し寄せ、通学路に両親が助けに来た。命からがら近くの幼稚園に避難したが、逃げている途中に津波がすぐそこまで迫っていたことを明かし、この10年間を振り返る。
「この10年はすごく早い10年だったと思います。当時は何も分からない状態で津波が来て、友達も亡くして、津波のことを絶対忘れたくなかったです。津波の影響で野球がやりたくても出来ない人もいると思います。みんなの分までと言ったらくさいですが、自分が代表としてやってるような感じです」
震災では、同じマンショだった友人がバス乗車中に津波にのまれ亡くなった。仲の良い友人だっただけに、「自分は幸せだった」と心中を口にし、元気に野球が出来る喜びを噛みしめながらプレーすることを誓った。
「練習前にみんなで黙想をするのですが、その時に(同じチームに)2度も負けないことを意識して黙想しています」
すでに西谷監督は松浦を背番号1に登録しており、「秋に打たれて負けた悔しさがあると思います」と期待を口にする。10年前の思いを力に変え、ドラフト候補に相応しい投球を見せるか注目だ。
(記事=栗崎祐太朗)
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