西純矢(創志学園出身)、歳内宏明(聖光学院出身)ら阪神のドラフトで高校生が半数以上を占めた年の指名選手は?
ドラフト1位指名で阪神に入団した西純也(創志学園出身)
昨年のドラフト会議で阪神は支配下指名6名のうち、5名が高校生だったことで話題を呼んだ。一般的に高校生の指名は即戦力としてではなく、数年後への投資という意味合いが強い。昨年の阪神はドラフトでの補強に関して言うと、直近ではなく少なくとも3年から5年後の未来を考えた指名に舵を切ったことになる。
さて、そんな阪神のドラフト会議で高校生の指名が半数以上だったことは近年でどれくらいあるのだろうか。分離ドラフトの終わった2008年以降で探ってみたい。
阪神は2010年、2011年と2年連続で半数以上が高校生の指名だった。しかし、昨年と大きく違い両年とも1位で伊藤隼太(中京大中京-慶応大/2010年)、榎田大樹(小林西-東京ガス/2011年)と大学生・社会人の即戦力候補を指名していた。1位で即戦力候補、2位以下で将来への投資を行ったわけである。
ドラフト1位指名だった伊藤は結果を残すには至らなかったが、榎田は初年度から62試合に登板するなどフル回転。中継ぎの一角として即戦力らいし働きを見せている。
一方、両ドラフトで入団した高校生組は、どうだろうか。中谷将大(福岡工大城東/2010年3位)こそ2017年に20本を放ちブレイクしかけたが、以降は成績を残すことができず苦しんでいる。
松田遼馬(波佐見/2011年5位)は2年目に中継ぎとしてデビューを果たすも開花したとは言えず、2018年途中にソフトバンクへトレードされた。移籍2年目の昨シーズンは自己最多の51試合に登板し、防御率3.81とまずまずの結果を残し日本一に貢献。移籍後に結果を出したことになる。
その他の選手たちは大きな実績を残すことなく、すでにNPBからは離れている。
ここまでの結果を見る限り、1位で即戦力候補を獲得し、将来を見据えて高校生を中位・下位で多く指名した2010年、2011年のドラフトがうまく言ったとは言い難い。
この両年と違い、1位も西純矢(創志学園)という高校生を指名した2019年は、まさに数年後ヘ向けた大勝負となる。果たして育成はうまくいくのだろうか。答え合わせは数年後だ。
【阪神の高校生指名が半数以上だったドラフト】
※2008年以降
※育成はのぞく
<2019年/6名中5名>
1位:西純矢(創志学園)
2位:井上広大(履正社)
3位:及川雅貴(横浜)
4位:遠藤成(東海大相模)
5位:藤田健斗(中京学院大中京)
6位:小川一平(横須賀工-東海大九州)
<2011年/5名中3名>
1位:伊藤隼太(中京大中京-慶応大)
2位:歳内宏明(聖光学院)
3位:西田直斗(大阪桐蔭)
4位:伊藤和雄(坂戸西-東京国際大)
5位:松田遼馬(波佐見)
<2010年/5名中3名>
1位:榎田大樹(小林西-東京ガス)
2位:一二三慎太(東海大相模)
3位:中谷将大(福岡工大城東)
4位:岩本輝(南陽工)
5位:荒木郁也(日大三-明治大)
(記事:勝田聡)
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