Interview

目指すは世界一!代表候補の座を射止めた6人の逸材たち

2024.05.03


4月29日、ポニーベースボール協会はブロンコ(U-12)代表の選考会を開催。関東地区からは6名の選手を候補選手として選出。他の地区のメンバーたちと6月からアジア大会を戦う。

151センチの小さき司令塔・鈴木友弥

6名なかで唯一捕手1本で選考会はアピールし、見事候補選手の座を射止めたSKポニー・鈴木友弥。151センチ、40キロと入学したての中学1年生らしい姿だが、マスクを被れば、誰よりも声をかけて目立った。
ベンチにいても仲間たちに声援を送り、ホームインしてベンチに戻ってきたら熱い抱擁を交わす。周りを巻き込んでチームを統率していく、捕手らしい言動は他にはない光るものがあった。
「めちゃくちゃ緊張していました」と選考会で見せた立ち振る舞いとは違い、内心はドキドキしていたようだ。そういった心境になると口数が減ってしまうことも多いなか、鈴木が積極的にできたのは、根っからの野球好きが功を奏したからだ。

「とにかく野球が大好きで、小学生の時にはショートにいた自分がセカンドの打球を捕ってしまったり、とにかく声を出して楽しんでやっていました。
だから無意識に声を出してプレーは出来ますし、周りとコミュニケーションをとって、チームの勝利に貢献できるのは、自分の長所だと思っています」

チームメイトであり、鈴木とともに候補選手入りした神山大地に聞いても、鈴木のキャラクター性は際立っているという。
「ピッチャーはもちろんですが、常に自分から声を出していますね。ミスすればフォローしますし、結果を出せば凄く褒める。とにかくポジティブで、司令塔みたいな感じなので、すごく助かっています」

もちろん捕手としてのスキルも素晴らしい。「肩の強さは生まれつきの部分もあるので、スピードで補っています」という握り替えの速さを生かしたプレーで、実践ではランナーを刺すシーンも見られた。

代表チームというと、どれだけ早く団結できるかというのは課題だ。そういったときに鈴木のような選手は重宝されるものだ。アジアのライバル相手にも、堂々としたプレーを見せて欲しい。

U-12最終候補に残った逸材・神山大地

その鈴木が「あまり抜け目がないですね」と好評しているのが、チームメイトの神山大地だ。

小学生の時は藤沢リトルでプレーしていた硬式野球経験者。しかも、U-12代表の最終選考まで残っていたという実力者。「U-12に落ちてしまってから、この代表を目指していたので、受かった時は凄く嬉しかったです」と念願だった代表入りに安堵の表情を浮かべていた。

実践練習のなかでも長打を放つなど、176センチ、70キロと引き締まった恵まれた体格を生かした力強いスイングを見せていた。アジアのライバル相手にも同様のプレーで快音を響かせてほしいところ。

そんな神山だが、力強いスイングだけではなく、軸のぶれないバッティングも目に留まった。このフォームについて話を聞くと、打撃に対するこだわりが見えてきた。
「普段はきちんとミートさせて、強いライナー性の打球を飛ばすことを大事にしています。だからアウトコースに対しても逆方向に強く飛ばしたいし、厳しい球には無理せずに見逃したり、カットしたりして、失投は鋭い回転で捉える。そういう対応を意識しています」

選考会でも、通常よりもピッチャーとの距離が近いことを考慮して、「すり足でタイミングを取るようにしました」と対応力の高さを見せて、結果を残した。どんな球にも対応し、足を生かしてヒットをもぎ取るイチローを憧れにしているのも頷けるバッティングだ。

「大会までの1ヵ月でもっとトレーニングで体を大きくして、長所のパワーとスピードを磨いて、外国人選手にも負けないように頑張りたいです」

日本といえば、足を使ったスモールベースボールが武器だが、パワーのある選手も必要だ。神山がそういった役割を担えるか。アジア大会での活躍を楽しみにしたい。

固定ページ: 1 2 3

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.02

【長野】松商学園、長野日大、東海大諏訪などが県大会出場へ<春季県大会支部予選>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.05.02

【四国】高松商、33年ぶりの決勝進出の立役者は茨城の強豪シニア出身の1年生右腕!<春季地区大会>

2024.05.02

【山梨】東海大甲府VS日本航空は打撃戦の様相<春季大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.28

【岡山】関西が創志学園に0封勝ちして4強入り<春季県大会>

2024.04.28

【鳥取】鳥取城北が大差でリベンジして春3連覇<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>