News

地道な育成が大事!今年、開花した選手が多い15年ヤクルトドラフト

2021.12.01

地道な育成が大事!今年、開花した選手が多い15年ヤクルトドラフト | 高校野球ドットコム
高橋奎二

 2001年以来となる日本一を達成したヤクルト。今回は15年のドラフトを振り返っていきたい。当時、リーグ優勝した直後のドラフトで、なかなか目に見えて結果は出なかったが、21年にして結果が出たドラフトとなった。

1位:原 樹理投手(東洋大
2位:廣岡 大志内野手(智辯学園
3位:高橋 奎二投手(龍谷大平安
4位:日隈ジュリアス投手(高知中央
5位:山崎 晃大朗外野手(日本大
6位:渡辺 大樹内野手(専大松戸
(※ポジションはドラフト指名当時)

 原は17年に131.1回、18年に110.2回を投げ、2年間で9勝18敗と勝ち星には恵まれなかったが、投手陣が苦しかったヤクルトにすれば、かなり大きい働きを見せたと言える。今季は9試合、3勝1敗、47回を投げ防御率2.30だが、3勝は8月以降に挙げたもので、10月は今シーズンで最多となる月間25回を投げて防御率2.16と好成績を収めた。後半戦の巻き返しが優勝につながったヤクルトの原動力にもなった。

 3位の高橋もその1人だ。今季は4勝だが、10月は防御率0.64で、14回を投げ18奪三振を記録した。後半戦へ向けて内容がよくなる投手陣を整備した首脳陣の手腕も大きく、この2人もその期待に大きく応えた。これをシーズン通してできると、これからも優勝争いが常にできるようになるのではないだろうか。

 2位の廣岡は和製スラッガーとして期待され、19年には10本塁打を記録。20年も8本塁打を打ったものの、21年開幕前にトレードで巨人に移籍した。素質自体は素晴らしいので、巨人で大ブレイクしてほしい。そうすれば、ヤクルトでプロ野球選手としての土台を築いたとして評価される日がくるはずだ。

 5位の山崎は着実に出場機会を増やし、今年は自己最多の114試合に出場。俊足巧打の外野手として着実にレベルアップを示して日本一に貢献した。

 6位の渡辺は高校時代、千葉を代表する大型遊撃手だったが、現在は外野手の守備固めとして出場し、今季は94試合に出場した。高校時代から良い選手だったが、ここまでしぶとい立ち回りで活躍しているのは予想以上だった。

 打者としてもポテンシャルの高さがあるので、なんとか来シーズン以降は打撃成績でもインパクトのある成績を残してほしい。

 15年のドラフトは、6年目となる今年に、大きく成果が出た選手が多い。ドラフトを成功させるには、即効性を求めるのではなく、時間をかけて成功を求めるべきというのがわかる。

 15年ヤクルト指名の選手たちは世代トップクラスのプレイヤーはあまりいないが、時間をかけて成功に導きつつある球団の育成力を称えるべき1年だった。

(文=河嶋 宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.03

【滋賀】近江、滋賀学園などが夏のシード権をかけた準々決勝へ!<春季県大会>

2024.05.03

【埼玉】春日部共栄の「反撃」なるか、5年ぶりの関東切符狙う<春季県大会>

2024.05.03

【春季埼玉県大会】山村学園の打線が爆発!エース西川も好投!立教新座を一蹴し準決勝進出!

2024.05.03

目指すは世界一!代表候補の座を射止めた6人の逸材たち

2024.05.03

【春季埼玉県大会】花咲徳栄、投手陣の底上げに成功!中学時代から注目された左腕コンビの活躍でベスト4へ

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.28

【滋賀】滋賀学園、彦根総合が初戦を突破<春季県大会>

2024.04.29

【福井】福井工大福井、丹生、坂井、美方が8強入り<春季県大会>

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【岡山】関西が創志学園に0封勝ちして4強入り<春季県大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>