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高校野球特別規則2020年版の詳細が決定 投球数制限や申告故意四球など詳細が明らかに

2020.02.19

高校野球特別規則2020年版の詳細が決定 投球数制限や申告故意四球など詳細が明らかに | 高校野球ドットコム

 日本高等学校野球連盟(日本高野連)は19日に定例の2019年度第6回理事会を開き、「1週間500球以内の投球数制限」導入に関する運用方法、高校野球特別規則2020年版の附記、高校野球用具の使用制限2020年版などが決まりました。

 高校野球特別規則2020年版の附記には、こう記載されます。

 1.投手の投球制限(2022年まで3年間の試行期間)
(1)以下の大会では投手の投球制限を実施する。
    硬式…春季・秋季都道府県大会、春季・秋季地区大会
       選抜高等学校野球大会、全国高等学校野球選手権大会(地方大会含む)
       明治神宮野球大会、国民体育大会
    軟式…春季・秋季都道府県大会、春季・秋季地区大会
       全国高等学校軟式野球選手権大会(地方大会含む)
       国民体育大会

(2)投手の投球制限に関する運用は以下の通りとする。
 ▽投球数、対象期間、試合について
  ①1人の投手が投球できる総数は1週間500球以内とする。
  ②1週間とする対象期間は、都道府県大会等とそれに連続する大会日程の期間を含む。
  ③試合が降雨、暗黒などで続行不可能となりノーゲームになった試合の投球数も500球の制限に投球数としてカウントする。
 ▽投球数(公式記録)の取り扱い
  ①試合終了後、原則として電子スコア等を活用した公式記録で大会本部と両チームは各投手の投球数を必ず確認する。
  ②試合前(直近1週間に試合を行っていないチームは除く)に、大会本部はメンバー交換時に原則として両チームにそれまで1週間の双方の各投手の投球数を記したシート等を配布し投球数を確認する。
 ▽1週間で500球に到達した場合の取り扱い
  ①500球に到達した打者の打撃完了まで投球可能。(次打者で交代)
  ②降板した投手は、以降当該試合では投球できない。

2.「申告故意四球」(投球せずに打者を1塁へ進めることが出来る)の対応
高校野球では2018年より高校野球特別規則27で申告故意四球は採用しないとしていたが、2020年シーズンインより同規則から削除し、運用は次の通りとする。
 ・守備側
  申告は伝令からに限る。また、連続して行う場合、最初の通告時に申し出ることもできる。
  カウント途中からでも適用可とする。
  申告後、その打者への投球数は加算されない。
 ・攻撃側
  当該打者は一旦必ず打者席に入る。
 ・審判
  球審はタイムをかけ打者に1塁を与える。
〔野球規則5.05(b)(1) 定義7〕
以上

 まず、投球数の1週間500球のスタートですが、試合日も1日と数えるため、試合前の6日間です。
 今春の選抜大会を例にすると、大会9日目の準々決勝で試合をする場合、大会3日目から8日目までの6日間が対象となります。つまり、大会2日目と3日目に1回戦を戦ったチームが対戦する準々決勝第2試合は、大会2日目が1回戦のチームは2回戦(大会7日目)の1試合が対象になり、大会3日目が1回戦のチームは1回戦と2回戦(大会7日目)の2試合が対象となるわけです。

 また、10月の秋季都道府県大会中に国体を挟む場合は、1週間500球が両大会通じてのカウントとなります。
 投球数は、各都道府県高野連で導入が進められている電子スコアを活用することが原則となります。甲子園大会では今春の選抜大会からスコアボードに「その試合の投球数」を表示する方針です。大事なのは、試合後に両チームの代表者と大会本部が確認会を行うこと。さらに試合前のメンバー交換時にも両チームと大会本部側が確認しあうことも重要です。

 申告故意四球は、いわゆる申告敬遠。「敬遠」とう文字は公認野球規則にない言葉ですので、この表現が使われます。
 守備側は監督が伝令を球審のもとに走らせ、申告故意四球(敬遠)を通告します。日本高野連の小倉好正事務局長は、「例えば9人しかいないチームは、監督がベンチから誰か(捕手か主将など)を呼んで、特別にベンチに戻って、監督からの指示を受けて申告故意四球(敬遠)でお願いしますと告げる形になります」と話しました。ベンチに控え選手がいる場合は、監督は守備に就いている捕手に対しての申告故意四球(敬遠)の通告する旨の指示はできず、原則として必ずベンチの控え選手が伝令として通告しにいくことになります。

 攻撃側のチームの打者は、打者席(バッターボックス)に入って、申告故意四球(敬遠)が球審から告げられます。つまり2人連続で申告故意四球(敬遠)の場合も、2人とも一度打者席に立つ必要があります。
 甲子園大会では今春の選抜大会から、ボークや打撃妨害などと同様に、申告故意四球もスコアボードに表示する方向で調整が進められています。

 高校野球用具の使用制限では、令和2年度から使用が認められていたホワイトカラースパイクの項目などが追加されました。こちらは、日本高野連のホームページに掲載され次第、また取り上げます。

 1週間500球、申告故意四球(敬遠)、ホワイトカラースパイクと今シーズンの高校野球は変更点が多くなりました。指導者、選手、大会本部関係者はしっかりと手順を確認して、試合に臨むようにしていきましょう!

(記事=松倉雄太

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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