大塚 健太朗選手 (花咲徳栄)

大塚 健太朗

球歴:花咲徳栄

都道府県:埼玉

ポジション:遊擊手

投打:右 / 左

身長:168.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 体が小さいのでドラフト候補云々と言うことを抜きして考えれば、今年の関東でNO.1の遊撃手は、この 大塚 健太朗 と評価します。とにかく、守備・走塁・打撃、すべてにおいて、野球センスの塊といった表現がピッタリな野球小僧。グランドで一目みれば、誰もがこの選手の動きに目を奪われます。 (守備・走塁面)  打球への勘の良さが素晴らしい。そのため最初の一歩目の出だしが、どの選手よりも鋭い。そして身のこなしにスピード感を感じます。一個一個の動作の切り返しが素早く、グランドをところ狭しと走り回ります。体は小さいのですが地肩も強く、しいて課題をあげるとすれば時々スローイングが乱れることがあります。この辺がもっと安定してくると、どんなレベルの野球でも、二遊間で守備を売りにできる選手になるでしょう。この選手の一番の売りは、この守備にあります。  小回りが効いてスピード感を感じますし、隙があれば盗塁も積極的に仕掛けます。一塁までの到達タイムは、4.1秒前後。これをプロレベルの基準に当てはめますと、中の上レベル。実際にこの夏の埼玉予選7試合で3盗塁ですから、そのイメージほど絶対的なスピードはありません。ですから将来的に、足を売りにして行けるほどかは微妙だと考えます。 (打撃内容)  春季大会で見た時は、ボールへの対応においおて花咲徳栄打線では抜けたものがありました。この選手の場合、柔らかさに非凡さがあると言うよりは、動体視力や反射神経などの能力に優れ、ボールについて行ける能力に優れているのだと思います。ただ難しい球を上手く捌くと言うよりは、打てる球を逃さず振り抜くタイプで、天才肌ではないように思えます。実際にこの夏の埼玉予選では、26打数で5三振をきしているように、ミートセンスが特別なわけではありません。  スクエアスタンスで、グリップを高めに添えて構えます。体の割に、強打者スタイルを取っています。始動は早めから平均的なタイミングの中間ぐらいなので、アベレージヒッターと中距離ヒッターの中間ぐらいに位置します。すなわち単打も打ちますが、二塁打・三塁打などの野手の間を抜けて行く長打は、少なくないと考えられます。  足を引き上げて来るタイプですが、足を降ろすタイミングを図るような合わせる打撃ではなく、強く踏み込んで振り抜くことを重視している感じが致します。真っ直ぐ踏み出しており、内角の球でも外角の球でも同じように捌きたいと言う意志の現れです。その足下がブレないでスイングできますから、外の球でも突っ込まず叩くことができます。  打撃の準備段階である「トップ」を作るのは遅くありません。そのため速い球に差し込まれる可能性も低いわけです。グリップを高めに添えているのは、上からバットを振り下ろす感覚を重視しているからでしょう。ボールを捉えるまで一直線に振り下ろされており、ミートするまでロスは感じられません。またバットの先端が下がらないようにヘッドを立てているので、フェアゾーンにボールを落とす確率は高いはずです。中途半端に当てるバッティングは好まず、最後までしっかり振り切ることを重視します。そのため速い球に負けない力強いスイングができ、体が小さくても非力さは感じません。そういった打撃は、これから上のレベルの野球を意識したときには重要な要素となります。  足を上げ降ろしますが、目線は大きく動きませんので、的確にボールを追えます。また体の開きも我慢できておりますが、打ち終わったあとに軸足が前に傾いておりましたから、少し甲子園の時は打ち気にはやって調子を崩していたのかもしれません。智弁和歌山戦では、内角の球を引っ張ってツーベースにできましたが、外角の球を捌けなかったのは突っ込みが早く我慢できなかったからだと考えられます。
更新日時:2011.08.15

将来の可能性

 守備に関しては、プロに混ぜても二遊間を担う人材として期待が持てます。走力・打力に関しても、大学レベルなら早い段階で順応すると思います。特にボールに対する嗅覚に優れているので、球際にも強いですしプレー全体に隙がありません。ただ結構細かいミスはちょくちょくするので、プレーの質の向上を望まれます。  打撃に関しても、思った以上に技術的にはしっかりしているので、ほとんどいじることはありません。どんどんレベルの高い相手との対戦を経験して、自分なりにプレーを膨らませて行く段階に、すでに入っていると考えられます。恐らく名門や強豪大学に進んで野球を続けるでしょうから、そこでどんな活躍を魅せてくれるのか大いに楽しみですね。アマの王道を、これからも突き進んで行く選手になるのではないのでしょうか。ただ個人的には、こんな選手をプロに混ぜたら、どんなプレーをしてくれるのかなんて期待も、思わず抱きたくなるほどの好選手でした。
更新日時:2011.08.15

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