名西 宥人選手 (池田)

寸評

　1年生の頃から、古豪を支える好投手。スリークオーターから繰り出される、MAX139キロの勢いのある速球が魅力。 　 （第一印象） 　 　経験豊富な投手だけに、非常にマウンド捌きが洗練されています。腕の振りの良さや、「間」を意識したりパッとマウンドを外して魅せるなど、野球センスの高さも伺えます。 　 （投球内容） 　 　　球速は、常時130キロ台後半～140キロ台前半は出ていそうに感じるほど、実際の球速以上の伸びがあります。変化球は、小さく横滑りスライダーでカウントを整え、縦に切れ込むスライダーとシンカーで空振りを誘います。両コーナーに投げ分ける制球力はあるのですが、ボールが見やすいのか？　簡単に合わせられるのが気になります。牽制は鋭く上手いのですが、クィックは1.15～1.25秒ぐらいと平均ぐらい。ボール全体が高く、コースを突いた球でも痛打を浴びてしまうのが残念。 　 ＜長所＞ 　 　腕の振りが素晴らしく、またボールにも適度に体重が乗せられており、打者の手元までの勢いが素晴らしい。 　 　グラブは最後まで体の近くにあるので、両サイドのコントロールは安定。ただし足の甲での地面への押し付けが浅く、腰高のフォームのためボールが全体に高いのが気になります。 　 ＜課題＞ 　 　「着地」までの粘りがないので、打者には容易に合わされてしまいます。けして体の「開き」が早過ぎるようには見えないのですが、コースを突いた球でも簡単にはじきかえされます。

将来の可能性

　ボールの勢いや野球センスには素晴らしいものがありますが、合わせやすいフォームや高めに浮く球筋の改善が求められます。すでに全国レベルの投手との印象は受けますが、まだ甲子園で勝ち切るだけの確かな実戦力が物足りません。この一年で随分とボールは速くなっていますので、今度は相手からも嫌がられるフォームや投球を追求して欲しいところ。春までの更なる成長を期待して、選抜の舞台で観られることを期待しております。