「会って話をしたいです」 昨夏4強・大宮東の指揮官が苦しい心境を明かす
大宮東 河西竜太監督
5月20日、夏の大会が戦後初の中止が決まったことが日本全国に衝撃を与えた。3年生をはじめとした球児はもちろん、野球関係者に大きなダメージを与えた。しかし今もなお選手たちの前に立って、話すことができていないチームは存在する。埼玉の大宮東はその中の1校だ。
2月末から出ていた休校が継続しており、チームで揃って練習できていない日々が続いている。学校は6月1日から再開予定だが、分散登校から始まる。段階的に学校生活が再開し、完全に学校生活が戻ってから部活動が始まる予定で準備が進んでいる。そんな中で20日に夏の甲子園が無くなってしまった。チームを指揮する河西竜太監督は、20日の気持ちをこのように語る。
「本当ならば選手たちの直接顔を見ながら、話す内容や言葉を考えて伝えたいです。しかし直接会って話すことができないので、メッセージに気持ちを込めて送っています」
普段から佐藤亮太主将にLINEを通じてメッセージを送り、佐藤主将が選手たちにメッセージを伝える形でコミュニケーションを取っていた。その形で、「選抜から夏の大会まで中止になって言葉にならないですが今の気持ち、そしてこれまで打倒・花咲徳栄でやっていましたので、『代替大会はあるんだぞ』と思って頑張ろう」と伝えた。佐藤主将からも「ありがとうございます」と返信が来たが、「振り絞った言葉だと思います」と佐藤主将の気持ちを察している様子だった。
「早く学校生活が戻って、選手たちと会って今後をどうするのか話をしたいです。いつ話す機会が作れるかわからないですが、とにかく会って話をしたいです」
最後にこの言葉を残した河西監督。各地で独自の代替大会の準備が進んでいるが、まずは選手たちの気持ちのケアをしたいというチームもいるはずだ。1日でも早く普段の学校生活が戻ってくることを願うばかりだ。
関連記事
◆各都道府県の学校再開、夏の代替大会開幕予定一覧リスト
◆21世紀枠候補校屈指の右腕・隼瀬一樹(伊香)の進化のきっかけは練習試合観戦【前編】
◆21世紀枠候補に選出された伊香(滋賀) 滋賀学園に金星をあげることができた理由【前編】