森 駿太選手
森 駿太
ポジション:一塁手
身長:186.0 cm
体重:77.0 kg
寸評
昨夏、一年生ながら鮮烈デビューを果たした
田村伊知郎。涼しげな顔から伸びのあるストレートを投げ込み、多くの打者から空振りを奪う姿は爽快であった。それから半年。背番号「1」で
選抜甲子園に臨んだ。しかし21世紀枠の
徳島城南(徳島)に8失点。まさかの失点に 別の意味で驚かされた。しかしピッチングを見る限り、ストレートの威力、変化球のキレは着実に向上していることが確認できた。8失点という結果で霞んでしまうものかもしれないが、彼は自ら努力できる素質のある男であることをこの
選抜で証明したと思っている。
選抜の投球を振り返りたい。 (投球スタイル) ストレート マックス147キロ
常時140キロ~144キロ スライダー 125キロ前後 チェンジアップ 125キロ前後 縦のスライダー 120キロ前後 ストレートは以前よりも威力が増してきて、コンスタントに140キロを計時するようになった。9回になっても145キロ前後を計測しており、スタミナも十分。ストレートのスピードが向上しただけではなく、変化球のキレも良くなり、スライダーは手元で曲がるようになり、チェンジアップ、縦のスライダーの切れも良くなり、決め手が出てきたように感じる。昨夏はストレートの伸びは非凡なものを見せていた田村伊知郎。選抜では変化球の切れ・精度も向上してきていると評価したい。なぜ8失点を喫したのかが不思議でならない。
(打者の攻め) ・右打者 両サイドにストレートを投げ分ける投球スタイル。両サイド・低めへ投げ分けることができているし、その能力の高さは今大会屈指だ。ただ彼はストライクで勝負に行き過ぎている傾向がある。球筋が素直で、配球もストライク中心と分かりやすい。そして序盤まで丁寧さが見えていた投球も徐々に雑な投球が見られた。 ・左打者 ストレートは両サイドに投げ分けながら、スライダー、チェンジアップを打たせて取る投球。ストレートの投げ分けもできているし、変化球もストライクに放れる能力もある。ストライクで勝負に行き過ぎな傾向はみられた。 3イニングまでは丁寧な投球が見られたものの、失点した4回以降は雑な投球。簡単に勝負に行き過ぎてしまい、城南打線の餌食となった形となった。これは実戦に遠ざかっていたということもあり、打者の雰囲気、狙い球を察知する嗅覚が鈍くなっていたのだろう。 尻あがりに勢いを上げてきた城南打線ならば簡単にストライクで勝負するのは危険。ストレート、変化球もストライクに制球できる技術はあるのだから、ボール球で打ち取る技術が身につけばこの投手は高校生としては文句なしだろう。
(投球フォーム) 上半身と下半身のバランスが取れた安定した投球フォーム。ワインドアップから入り、左足を大きく上げながらもバランスよく立つことができている。ここで足を上げるまでに少しだけタメを作っている。少しずつ腰を沈めていきながら軸足に上手く体重を乗せて膝を柔軟に着地する。左腕のグラブを上向きに伸ばして、体を傾斜させて、上から振り下ろす投球フォーム。170センチと投手として小柄ながら140キロ台を連発できるのはただ体力強化をしたというわけではなく、完成度の高い投球フォームだからこそ生み出せる。また球持ちもよくなり、ストレートの伸びも出てきた印象。完成度の高いフォームだが、若干だけだが開きが早い印象。それだけ修正できれば文句なしだ。
更新日時:
2011.05.09
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