高尾 響選手

高尾 響

球歴:

ポジション:捕手

ボールスピード:140 km/h

学年:卒業

寸評

 昨夏、甲子園を経験した完成度の高い左腕です。持ち味は、ストライクゾーンからボールゾーンに切れ込むスライダーを振らせる投球術にあります。 (投球内容)  オーソドックスなフォームから投げ込んで来るサウスポーで、安定した制球力や洗練したマウンド捌きを軸に、投球をまとめることができる安心して見ていられる投手。昨夏の時点では、常時125キロ前後ぐらいのストレートで、球威・球速で圧倒するタイプではありません。あくまでもスライダーのキレを武器に、両サイドにボールを散らせて討ち取って来る技巧派。他には、カーブやスクリュー系のボールを織り交ぜ投球を彩ります。  この投手の素晴らしいのは、ボールになる球を振らせる技術があること。クィックも基準レベルである1.2秒前後で投げ込めますし、牽制も左投手らしく走者からはフォームとの見分けが困難な代物。総合力の高いピッチングで、試合を作ります。 (投球フォーム)  体は大きくないのですが、足を引き上げる反動の付け方がとても上手いです。体が突っ込まないように、かなり二塁側に足を送り込んだあと、足を上手く前に逃がすことで着地のタイミングが早くなるのを防いでいます。グラブも常に体の近くにはありますし、足の甲での押しつけも悪くありません。両サイド・高低の制球も大きく崩れることはなさそうです。  気になるのは、テイクバックした肩が奥に入りすぎていて、更に腕の引き上げにも無理な角度をつけている点です。そのため体には、非常に負担の大きなフォームです。しかしそれほど力投派ではないので、疲労は貯まりにくいタイプなのかもしれません。ボールの出所は見難く、球持ちは悪くありません。腕をもう少し鋭く振れる筋力があればと思うのですが、体重移動もスムーズです。非常に打者からは打ちにくい、実戦的なフォームだと言えるでしょう。
更新日時:2011.06.18

将来の可能性

  筋力が付いてくれば、球速はともかく、もっとキレのある球が投げられそうです。ピッチングも上手いですし、実戦的なフォームも出来ています。あとは、体に負担の大きなフォームを、もう少し無理なく投げられるようになると、更に実戦的な投球が期待できます。  この一年で、どのぐらい伸びているのかはわかりません。ただこの選手の才能が開花するのは、高校よりも先ではないかと思っています。大学などに行っても重宝されるタイプだと思いますので、そのための足がかりとなる夏になることを、期待してやみません。いかにも激戦区福岡の好投手、そんなことを実感させてくれる存在でした。
更新日時:2011.06.18

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