東恩納 蒼選手 (沖縄尚学)

精神面での成長を見せた沖縄尚学の右腕エース、夏に期待

＜センバツ高校野球：東海大菅生1－0沖縄尚学＞◇28日◇3回戦 　沖縄尚学（沖縄）の右腕エース、東恩納 蒼投手（3年）がマウンド上で精神面での成長を見せた。東海大菅生（東京）戦でリリーフ登板し4回を無失点。味方の逆転を信じて右腕を振った。結果的には1点が遠く敗れてしまったが、夏に期待を持たせるマウンドだった。 　1点を奪われた直後の5回からリリーフした。7回までの3イニングはすべて三者凡退に抑えた。力のある直球とコーナーに決まるスライダーで凡打の山を築く。8回には打ち取った内野ゴロが内野安打になり、1死二塁のピンチを招いた。三振に仕留めた後に四球を与えて2死一、二塁とピンチは広がったが後続を断った。勝負どころでは魂を込めた直球で勝負した。昨年秋の明治神宮大会で9回サヨナラ負けした反省を生かし、最後の最後まで自分の力を信じてピンチを切り抜けた。 　打線は拙攻が続いた。5回からは毎回走者を出してチャンスをつかんだ。しかし、走者のボーンヘッドで併殺となったり、相手外野手の好返球で本塁タッチアウトになったり、快音を響かせた打球が外野手の正面を突いたりと、運がなかった面もあった。それでも、エースは黙々と投げ続け、自分の投球をすることで相手に流れを渡さなかった。 　この経験は夏に生きるはずだ。センバツでは8強入りはならなかったが、夏こそはさらに投球に磨きをかけた東恩納の投球を見たい。