百崎 蒼生選手 (東海大星翔)

百崎 蒼生

球歴:東海大星翔

都道府県:熊本

ポジション:遊擊手

投打:右 / 右

身長:178.0 cm

体重:73.0 kg

学年:卒業

最高の仲間と戦った1度きりのラストサマー、東海大星翔のプロ注目・百崎は確かに輝いていた

<第105回全国高校野球選手権記念大会:浜松開誠館5ー2東海大星翔>◇10日◇1回戦◇甲子園

 こみ上げてくる涙に身を任せた。甲子園で終わる高校最後の夏。わずか1試合で終わったが、最高の夏物語のラストを飾るにふさわしい舞台だった。

 東海大星翔の背番号6、百崎 蒼生内野手(3年)は、3点ビハインドの9回先頭打者として打席に入った。思い切りたたいた打球が二塁手のやや左へ。セーフになろうと全力疾走してヘッドスライディングしたが、あと一歩届かなかった。そのまま2死を迎えたベンチで高校球児としての最後の涙を流した。

 思えば苦しい2年半だった。1年生は神奈川の東海大相模のユニホームを着てレギュラーとして活躍していたが、方向性の違いなどの理由で、遠く離れた熊本へ転校。苦しい日々を送ったが、仲間に励まされ、東海大星翔ナインとして最初で最後の夏、熊本の頂点に立つことができた。準決勝では自分の逆転アーチで勝利に貢献。プロ注目の内野手として甲子園に挑んでいた。

 その片りんは甲子園第1打席で見せた。低めの直球を逆らわず右中間へ痛烈な打球を放つと、一気に二塁へ。送球が乱れる間に三塁を陥れ、走力があるところも見せた。その後、内野ゴロでホームイン。自分の足で甲子園初得点の感触をかみしめた。

 1点を追う6回には、2死一、二塁で左前安打を放った。同点打かと思ったが、二塁走者が本塁でタッチアウト。百崎の思いは天に通じなかったが憧れの甲子園で5打席立つことができ、2安打を放った。

 高校野球で転校し公式戦に出られないブランクを乗り越えての甲子園出場。その苦労は経験しなければ分からない。人知れず泣いたこともあっただろう。甲子園で流した涙は、その涙とは正反対の、最高のチームメートともう野球ができないさみしさから流れたものだったに違いない。

更新日時:2023.08.10

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