内田 了介選手 (埼玉栄)
短評
試合レポートから抜粋 その中でも特に目を惹いたのが埼玉栄のエース・内田了介のピッチングだ。プロ注目右腕で夏の埼玉大会でも最速143キロをマークしていた内田はこの秋、さらに完成度が増している。 この試合は立ち上がりから142キロを計測するなど、力のあるピッチングを披露。夏と違うのはベース配分を意識するようになったこと。ストライク先行を意識して、制球力を意識し、130キロ後半のストレートでカウントを取り、あるいは110キロ前後のスラーブで、ストライクを重ねながら、ここぞという場面では最速143キロを計測したストレートでねじ伏せる。低めだけではなく、高めでも打ち取ることができており、近年の埼玉県の右投手では屈指の完成度を誇るのではないだろうか。埼玉栄には米倉貫太(honda)というプロ注目投手がいたが、米倉並みの好投手だといえよう。投手ならば誰もがうらやむ柔軟さ、しなやかさを持っていたが、内田の場合、力強さと完成度の高さで勝負する投手だろう。 6回まで無失点に抑えていた内田だったが、7回裏につかまってしまう。一死二、三塁から代打・松村に142キロのストレートをとらえられ、左越え適時二塁打を打たれ、同点に追いつかれ、1番・吉田匠吾(1年)にストレートを打たれ、逆転2ラン。さらに4番・吉田瑞の適時打も飛び出し、5失点。 完封ペースの内田を一気に攻略した浦和学院打線の粘り強さは恐るべし。内田にとっては1球の怖さを思い知った試合だろう。7回裏だけ攻め方が若干淡白になっていた。それでもストレート36球計測出来て、140キロ以上は27球、平均球速140.25キロと秋の時点でこの平均球速は素晴らしく、変化球の精度も高い。来年のドラフト候補として注目されるだろう。
更新日時:2020.06.03
寸評
埼玉の独自大会が開催されれば、ドラフト候補として注目を浴びる存在になりそうなのが、埼玉栄の内田了介だろう。投げては最速146キロ、打っても本塁打連発と高い才能を秘める。そんな内田なのだが、改めてじっくりと映像を交えながら見てみると、東浜巨と似たフォームから投げ込む速球派右腕であることが分かった。 (投球内容) ストレートは常時140キロ中盤を計測。リリーフでは、平均球速141キロ。そして昨秋の県大会準々決勝の浦和学院戦では、ストレートを計測できたのは36球。そのうち140キロ以上を計測できたのは27球、平均球速140.25キロと秋の時点でこの平均球速は素晴らしく、高卒プロを狙える素質を持った投手であることは間違いない。 ただ、変化球はスラーブを投げるのみで、120キロを超える高速変化球系がないのが課題だといえる。 コントロールについては問題ないが、終盤に球速やコントロールの精度が他の投手と比べると顕著に落ちるのが課題だといえる。 ストレートの強弱をつけつつ、変化球は空振りを奪う、抜く変化球など引き出しを増やしていきたい。 投球フォームはワインドアップから始動し、足を上げてから、身体を少し半身にして右腕を折りたたむようにしてテークバックを取ってリリースに入るまでの動きが東浜とよく似ている。ただ東浜と違うのは真上から振り下ろそうとして、体の回転にまだ連動性がないこと。 上半身、下半身の連動性が出てくれば、さらに球速が出てくるタイプではないだろうか。
更新日時:2020.06.03
将来の可能性
野手として注目する球団もあると思うが、まずは投手としてマークされるだろう。平均球速があと3,4キロ。そして変化球で空振りを奪える絶対的な変化球を習得していけば、評価もぐっと挙がる投手ではないだろうか。最後の夏は限られた期間の中で、評価を高めていきたい。
更新日時:2020.06.03
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