笠島 尚樹選手 (敦賀気比)
寸評
昨年の甲子園で活躍を見せた本格派右腕。膝下にぐっと伸びていくストレートはまさに魅力的。投手としての完成度も高く、ドラフト候補として注目したい逸材だ。将来的には西勇輝(阪神)のような投手に育つ可能性がある。 (投球内容) ストレートは常時140キロ~145キロを計測。指先にしっかりと力を伝え、リリースされたストレートは、回転数が高く、思わず差し込まれてしまうほどの勢いがある。外角、内角のギリギリに投げられるコマンド力は今年の高校生でも屈指のものがある。 他では120キロ前後のスライダーを内外角に投げ分けることができる。 ただ気になるのは緩急がないこと。もともと角度のあるフォームではなく、切れのあるストレートを投げるためにこだわったフォームなので、少しでもバランスを崩し、真ん中に集まると、痛打されやすい。相手に狙い球を絞られないよう、緩急、高速変化球などの習得する必要がある。 (投球フォーム)
セットポジションから始動し、左足を勢いよくあげていき、右足の膝を適度に伸ばしていきながら、バランスよくあげることができている。
その後、右足を遊撃方向へ伸ばしていきながら、重心を下げていき、インステップ気味に着地を行う。笠島は他の投手と特徴なのは、左腕のグラブを上げたり、平行にするのではなく、左肩を下げて、胸に抱えてこんでいき、頭の位置を低くして、リリースに入る投手。
右肘をしっかりと上げてからリリースに入るまでの瞬間をスローで見ていくと、かなり打者寄りの位置で離すことができる。
投球フォームは西と似ており、西も肩を少し下げて打者寄りで離して、球速表示以上のストレートと、さらに指先の感覚が良いので、多彩な変化球を投げることができる。
更新日時:2020.04.17
将来の可能性
ストレートのコマンド力に関しては高校生として申し分ない。ただストレート以外で脅威となるようなウイニングショットはなく、強力打線になると完璧に抑えられるものはない。 この1年は球速アップはもちろんだが、変化球を習得するなど、奥深さを感じられる投球ができると、かなり評価は高まる投手ではないだろうか。 似ていると挙げた西勇輝は突出とした球速はないが、投球のバリエーションが多彩で、実に奥深い投手である。ぜひそういうスタイルを目指していってほしい。
更新日時:2020.04.17