川瀬 堅斗選手 (大分商)
寸評
ホークスで活躍する川瀬晃の弟で、今年の九州を代表する大型右腕。全国的に見てもドラフト候補と推していい数少ない存在だ。 なんといっても魅力なのは、角度溢れるストレートである。九州大会の最速は144キロ。準決勝のピッチングでは常時135キロ前後(最速142キロ)だが、球速表示以上に勢いと角度を感じさせる。ストレートだけ見ればドラフト候補として推していい内容だ。 ただ変化球が曲がりが大きいカーブを武器にするが、緩く大きく曲がるので、引き付けて打ちやすく。金属バットだとヒットになりやすい球種。試合途中から決め球ではなく、見せ球として使ってカウントを稼ぎ、ストレートを決め球にする配球にしたところ、後半は安定したピッチングを見せていた。 このカーブを相手打者の頭がない場面に限って使うべきだろう。 ストレートのほうが詰まらせることができているので、高速系の変化球があるとより空振りを奪える投手となるだろう。横滑りするスライダー、縦系のスライダーをさらに極めていきたい。 (投球フォーム) 走者がいなくてもセットポジションから始動する。左足を勢いよく上げていき、右足の膝を適度に伸ばしてバランス良く立たせることができる。その後、左足を伸ばしていきながら、歩幅を狭めて踵から着地する。インステップ気味で、踏み出し脚が突っ張り気味となっている。左腕のグラブを斜めに伸ばしていきながら、テークバックをとっていき、右ひじをしっかりと上げて、胸をしっかりと張る。そこからリリースに入る。縦振りで入っていく姿は高校の先輩・森下暢仁(明治大)を意識した腕の振りだが、川瀬は結構力みがみられるところがあるので、なるべく脱力した状態から振りぬいていってほしい。
更新日時:2019.10.23
将来の可能性
まだピッチングを見ると高めに浮くところも見られるが、それでも要所で締められるのは見事。九州大会のピッチングでは、大きく評価を高めたのではないだろうか。 これからはストレートをさらに磨いて、平均球速を今よりも高め、カーブをパワーカーブ系に鍛え上げ、全体的に変化球のレベルをビルドアップできれば、上位候補に挙がってもおかしくないポテンシャルを持っている。果たして森下先輩と同じく、高校日本代表入りできる投手になるのか、注目したい。
更新日時:2019.10.23