髙田 萌生選手 (創志学園)

髙田 萌生

球歴:創志学園

都道府県:岡山

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:178.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 松坂大輔に憧れ、フォームまで似せて、スキルアップに取り組んだ高田萌生。実力的には2016年度の高校生右腕のトップクラスに入る右腕であるが、その高田がさらにドラフト上位指名を確実にするためには何が必要なのかを考えてみた。 (投球内容) ストレート 常時140キロ~144キロ マックス144キロ  明治神宮大会中国大会のどちらが良かったかといえば、中国大会。しかし金光学園戦もそれほど良かったといえる投球ではなかったのだが、終盤にかけて144キロを連発する馬力は中々で、尻上がりに良くなるところは松坂と似ているといえる。何よりも指先にしっかりと力が伝わっていて、高スピンがかかったストレートであり、実に素晴らしい勢いがある。一冬越えて、気温が高い試合やる日になれば、140キロ後半~150キロは期待できそうだ。  変化球 縦横のスライダー、カーブ 中国大会ではストレート中心だったが、神宮大会では変化球中心。神宮大会ではあまり変化球が切れていなかったが、中国大会の時は良かった。割合は少なくても打者の手元で鋭く滑るスライダー、縦のスライダー、ブレーキが効いたカーブとどれも一定以上の精度があるが、神宮大会の時はあまり制御ができていない感じであった。  打たれるときは、打者の間合いに合わせてしまうのがこの投手の欠点。  敦賀気比戦でも多くの打者に攻めが読まれていた。ストレートの球質、球速、は高校生としては申し分ないだけに勿体ない配球が目立つ。  あとは相手の裏を欠く配球。その感性を磨くことが1年間のテーマになりそうだ。 (投球フォーム)  ワインドアップからゆったりと振りかぶり、左足を胸元の近くまで上げていき、右足のひざを適度に曲げてバランス良く立つところは非常に松坂と似ている。そして左足を遊撃方向へ送り込んで、重心を沈めて、左足のひざをしっかりと伸ばし、軸足をしっかりと捕手方向へ送り込んで、ゆったりと着地することができている。股関節の柔軟性は高く、その点では松坂よりも高い。左腕のグラブを見ると斜めに突き出しているので、着地した時に半身した状態を保っているので、開きは抑えることはできている。テイクバックの動きを見ると内回りの旋回をしていきながら、トップに入ったとき、肩甲骨をしっかりと使って、肘が自然な形で上がっており、胸の張りも良い。そして腕の振りでは頭の後ろに通るような形でリリース。球持ち自体は良い。そして最後のフィニッシュでは、左足にしっかりと体重が乗っており、フォーム全体の流れは非常に良い。  松坂大輔を模倣したと聞くが、恐らくプロに入ってからのフォームをまねているのだろう。というのも高校時代の松坂は文句のつけようがないフォームだったかといえばそうでもなく、まだ上半身の強さがあり、むしろ西武に入って肉体的にも大きく成長したことで、下半身に粘りが生まれ、格段に良くなった投手である。  高田は松坂と比べると上半身の強さは劣るかもしれないが、下半身の強さ、柔軟性はある。これを見失わず、柔軟性、筋力をバランス良く鍛えていけば、かなり凄味のあるストレートをこの夏までに見せてくれる可能性は十二分に持っている。
更新日時:2016.01.01

将来の可能性

 まだ進化の途上ということで、すべての力を発揮しきれていないが、ストレートのスピード、伸びはハイレベルで、変化球の精度も及第点というところ。松坂は消えると思わせるスライダーを軸にハイレベルな投球ができた投手。高田もこの冬を超えればストレートはさらに凄味が増していくと思うが、変化球も何か決め球となる球種を身に付けたいところ。  そしてまだまだ危機回避能力が低く、結構打ち込まれるケースも少なくない。相手が押してきた時、それをしのいで、やっぱり点が取れないな、やっぱり高田を打ち崩せないなと思わせるには、相手が何を狙っているのか、と感じる感性が必要になる。  むしろ高田を見るチェックポイントは球速、変化球といった基本能力よりもそこになるのではないだろうか。なぜそこをみるかといえば、次のステージで長く活躍できるには投球の感性がより重要になるからだ。  本当に隙の無い投手になったなと思わせる進化を見せるか。甲子園、春の大会、夏と注意深く見ていきたい。
更新日時:2016.01.01

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です