鈴木 将平選手 (静岡)

寸評

　明治神宮大会の東海大菅生戦では、5打数4安打と大当たりを見せた快速センター。目敏さがある選手で、一試合見れば、必ず印象を残してくれる選手。投手の隙を盗み鮮やかに決める盗塁技術、好投手に対応するバットコントロールも魅力だ。さらにステップアップするための課題とは。 （打撃） 　スタンスはオープンスタンス。グリップを肩の位置に置いて背筋を伸ばしてバットを寝かせてグリップを揺らしながら構えている。投手の足が着地する寸前に始動を仕掛け、若干仕掛けは遅い。足をすり足気味に上げていきながら、真っ直ぐ踏み込んでいく。 　トップの動きを見ていくとややグリップが身体の中に入りすぎるところがあり、またバットを寝かせながらスイング軌道に入るため、インサイドアウトというよりも、外回りのスイング軌道で、詰まった当たりになることも多い。それでもバットを操作させるのが上手いので、三振になることが少ない。 　三振が少ないのは、センスの良さとして見るべきだが、金属バットゆえヒットにできていることが多く、芯で捉える技術、スムーズなスイング軌道、打球の速さ、スイングの強さはまだ求めていきたいところだ。 (走塁） 　走塁にはかなり自信を持っているように非常に足が速い。塁間タイムは4.00秒前後と基準以上のタイム。盗塁タイムは3.40秒と高校生としてはまずまずのタイムだが、もっと速いタイムが期待できそうだ。素晴らしいのは、投手の隙を突く、観察力とそして失敗を恐れない勇気。足をウリにする選手として非常に大事なことで、大事な心得を持っている。 　守備を見ると、守備機会が少なく、レベルの高さを感じ取ることができなかった。だがカバーリングなどを見ても、足が速く、守備範囲が広いのが十分にうかがえるだろう。

将来の可能性

　いわゆる目敏さを持った選手で、一試合こなせば、打撃なり、走塁なりで、存在感を示してくれる。そんな選手が一番に座るのは厄介だと思う。その彼がさらに高いレベルを目指すならば、やはり打撃面のレベルアップが課題になるだろう。上でも通用すると思わせる「強さ」を求めていきたいところ。 　センスと強さを兼ね備えた好打者として、甲子園で魅せるプレーを披露してほしい。