大江 竜聖選手 (二松学舎大附)

短評

　1年生からマウンド経験豊富な実戦派左腕。センバツの松山東戦で16奪三振を記録したように三振奪取能力が高い。左オーバーから投げ込む直球は常時135キロ～142キロの速球は球威がある。快速球というイメージだった1年生のころと比べると、非常にボリューム感が出てきたといっていいだろう。 　 　投球フォームはノーワインドアップから始動し、勢いよく足をあげながらもバランス良く立つ。右足を一塁方向へ伸ばしていきながら、前足をしっかりと伸ばして歩幅を広く取って着地。1年生の時よりも歩幅は若干狭まった感はあるが、それでも踏み出しからフィニッシュまで滑らかな体重移動ができている。テイクバックをみると左ひじをしっかりと上げて、胸を大きく胸を張ることができており、腕の振りを見ると外回りになることなく、体に近い軌道で腕を振ることができており、球持ち自体も良く、どこで力を入れれば、力のあるストレートを投げられることを理解している。 　120キロ台の縦横のスライダーは手元で鋭く大きく切れるので、対応が慣れていない打者は対応に苦労するだろう。また大江はこのスライダーを自在に使うことができる投手で、右打者には外角にもストライクを取ることができるし、インローに決まるし、アウトローに落とすことができていて、2ストライクになったらとにかく粘るしかない。そして左打者にも外角の膝元へしっかりと落ちるので、ついていけないとただ空振りするだけだ。唯一、甘いとすれば、時折、高めへ浮くストレート。ここをしっかりと叩ける打者は安打にできているが、大江自身、それが理解できているので、ストレートを置きにいかないようにしっかりと腕を振り、配球面も余裕持って投げられるようにしている。 　力投派なスタイルを見て打者に応じて力の入れ加減を変えている。早稲田実業戦では清宮幸太郎に対し、ノーワインドアップからワインドアップに変えて、全力で投げ込んでねじ伏せようとしていた。分かりやすい性格をしているが、そういった負けず嫌いなところも大江の魅力である。