鈴木 昭汰選手 (常総学院)

鈴木 昭汰

球歴:常総学院

都道府県:茨城

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:175.0 cm

体重:72.0 kg

学年:卒業

短評

観戦レポートより抜粋(2015年11月1日)  この試合の注目はプロ注目の好投手と投げ合いだろう。横浜藤平 尚真常総学院・鈴木 昭汰(2年)。お互い侍ジャパンU-15代表経験者。仲も良い選手で、できれば初戦で当たるのは避けたいと考えていたが、実現したこの試合。勝負は「この試合に人生をかけていたので」と語る鈴木に軍配が上がった。  鈴木は実に巧みな左腕だった。間合いが一定ではなく、早く投げたり、じっくりと投げたりと、どちらかというとじっくり投げることが多いが、その間が実に嫌らしい。受け身で投げず自分の間合いで投げようとしているのだ。打者からすればこんな嫌な投手はいない。  投球内容もハイクオリティだった。上半身と下半身のバランスの取れた投球フォームから繰り出す速球は常時130キロ前半(最速136キロ)ほどだが、両サイド自在にコントロールできるのが素晴らしい。その証拠として、フォームのブレが小さく、打者寄りでリリースできる球持ちの良さが光る。  スライダー、カーブ、シュート、チェンジアップのキレも高校生としてハイレベル。この日、鈴木は「ストレートのキレも良く、変化球の切れも良く、どれも意図通りに投げることができました」とまさに絶好調の出来だったようだ。  強打の横浜に対して、右打者には膝元に決まるスライダー、外角にはチェンジアップを投げ込み、左打者には内角に食い込むシュート、外角に逃げるスライダーで狙い球を絞らないピッチング。どれも自信に持っていた中で、最も自信にしていたのはスライダー。 「スライダーを振らせるために勢いあるストレートを見せたり、シュートを見せたりと、コンビネーションを意識しました」 ただ投げるだけではなく、決め球のスライダーを振らせるために、考え尽くして配球をしていた。その結果、3回まで7奪三振。四死球3つ、被安打2本打たれながらも要所を締めるピッチングでゲームメイクを展開していた。また横浜の打者で最も打たれたくないと思っていたのは藤平である。U-15代表ではチームメイト同士だった2人。鈴木は、 「最も警戒していた打者でした。打つ技術もあるし、またあいつを打たせて乗せたら怖いので」 第1打席は空振り三振に打ち取ってガッツポーズを挙げた鈴木。一人ひとりの打者に対して考え尽くした配球をしながらも要所で、闘志あふれる投球を見せていた。 だが鈴木はだんだん調子を上げていき、ストレート、チェンジアップ、シュート、スライダーのキレは依然として衰える様子はなく、打たれる気配を感じさせない。8回表には連続三振を奪って、二桁奪三振。9回表は直球中心の投球で抑えて1失点完投勝利。勝利の瞬間、雄叫びを挙げた。鈴木は、「勝ててうれしいというよりも、泣き崩れていた藤平の分まで勝たないといけないと責任感が出てきました。準々決勝は何としてでも勝ちます」と決意を新たにしていた。 来年のドラフト候補をいろいろ見ているが、来年度の高校生でこれほど意図通り、相手を分析した投球ができる好投手はなかなかいない。投手としての実戦度の高さはトップレベルだといえる。躍動感溢れる投球フォームから140キロ台の速球、スライダーで圧倒する大江竜聖、2016年度の関東地区の高校生左腕はパワーピッチャー・高橋昂也、異様な粘り強さがあるキレ型左腕・早川隆久、高校生離れした実戦派左腕・鈴木昭汰。この3人が代表する存在といえるだろう。「関東の左腕四天王」として覚えていきたい。
更新日時:2015.11.02

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