菊池 海斗選手 (山梨学院)

寸評

　旧チームから4番に座り、中学時代はシニアで全国制覇を経験した経歴の持ち主。選抜でも注目の強打者として、スカウトから注目が集まります。 　 （第一印象） 　 　もっとバリバリの強打者なのかと思ったら、あまり打席に入った時にそういった凄み・威圧感などは感じられません。相手を威圧する迫力だけでなく、それほど隙無しの凄みも感じませんでした。 　 （守備・走塁面） 　 　一塁までの塁間を4.3秒ぐらいで走り抜ける能力があり、これを左打者に換算すると4.05秒ぐらいに相当します。これは、高校生としてはかなり早い部類であり、プロに混ぜても中の上ぐらいの脚力があります。新チーム結成以来の36試合で4盗塁ですから、4番という打順もあるでしょうが、あまり足を生かすプレースタイルではありません。 　 　私が見た夏の山梨大会では、一塁手として出場。けして打球の反応やグラブ捌きなどは悪い選手ではありませんでしたが、まさか新チームからショートを任されるとは思いませんでした。ショートの守備は未確認なので、選抜での楽しみ。 　 （打撃内容） 　 　夏の日本航空戦では、ライトスタンドにホームランを放つなど、逆方向へも遠くに飛ばす能力があります。広角に打てるタイプの、強打者だということでしょうか。始動が遅く振りだしてからスパッと一瞬で捌くようなイメージがあります。 　 ＜構え＞　☆☆ 　 　ほぼスクエアスタンスですが、若干クローズ気味に立ちます。グリップは下げ気味で、腰の据わり具合・全体のバランスとしては少し頼りないのですが、両目で前を見据えるという意味では悪くありません。強打者にしては、弱々しいイメージがあります。 　 ＜始動＞　遅すぎ 　 　投手がリリースを迎える前あたりから動き出すので、始動としては遅すぎます。全国レベルの投手のスピードに・キレに対応できるのか気になります。 　 ＜下半身＞　☆☆☆ 　 　始動～着地までの「間」がないので、打てるポイントは限られます。あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さないで叩くことが求められます。ベース側にインステップして来るのが特徴で、外角の球を強く意識したスタイル。踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球にも喰らいつくことができます。 　 ＜上半身＞　☆☆☆☆ 　 　あらかじめ打撃の準備である「トップ」に近い位置グリップを置き、始動の遅さを補います。バットの振り出しはインサイド・アウトではありませんが、ボールを捉えるまでにはロスがなく、バットの先端であるヘッドも下がらずに綺麗に振り抜けます。内角への対応が少し気になりますが、真ん中～外寄りの球には強さを発揮するでしょう。 　　 ＜軸＞　☆☆☆☆ 　 　足の上げ下げは小さく、目線は大きく動きません。体の開きも我慢できますし、軸足の形も大きく崩れません。軸は安定しており、調子の波も少ないのではないのでしょうか。

将来の可能性

　この夏の試合では、2度の送りバントなどもあり正直よくわからない部分もありました。選抜では、ぜひもう少しじっくり見てみたいですし、遊撃守備がどの程度なのか気になるところ。プロ注目の遊撃手ということで、大いに気になる存在ではあります。