佐野 皓大選手 (大分)
寸評
スラッとした投手体型が目を惹く、本格派右腕です。2014年度の九州を代表する投手として、その成長が期待されます。 (第一印象) ランナーを背負うと、冷静さを欠くのが気になりました。甲子園に出場した大分商戦では、ワイルドピッチやボール処理を誤って悪送球をしてしまうなど、余計な失点が目立ちました。 (投球内容) 夏の大会での球速は、120キロ台後半~130キロ台中盤ぐらい。変化球は、スライダー・カーブ・チェンジアップ気味の球など、ひと通りの球種はある感じ。大分商業戦では、ズラリと並んだ左打者に対し、制球で苦しんだり綺麗に振りぬかれていました。クィックは、1.05秒前後ですし、牽制やフィールディングの動きも悪くありません。平常心を保てれば、元来は野球にセンスに秀でたタイプだと思います。 <長所> グラブは最後まで内に抱えられていますし、足の甲でも地面を捉えることが出来ています。あとは「球持ち」をよくして指先の感覚を磨けば、コントロールも安定して来るのではないのでしょうか。 腕は強く振れているので、速球と変化球の見極めは困難。腕の振りが鋭いので、キレのある快速球を生み出します。 <課題> 着地までの粘りは悪くないのですが、少し体の「開き」が早いように思います。そのためコースを突いたような球でも、球筋を早く読まれて合わされてしまいます。 ボールに上手く体重が乗せられておらず、打者の手元まで球威のある球が投げられません。あくまでも上半身と腕の振りの鋭さで、キレを生み出します。これにウエートを乗せられれば、容易に打者も振りぬかれることも減るでしょう。
更新日時:2014.01.11
将来の可能性
まだまだ線が細い感じですが、この一冬の間にウエートが増えたり、筋力がついて来るようだと、夏までに140キロ台の大台も見えて来るかもしれません。しかし球威・球速だけでなく、「開き」の早いフォームの改善や左打者への投球など課題も少なくありません。ぜひ夏には、自信満々のマウンド捌きで、甲子園の大舞台を踏んで頂きたい一人です。
更新日時:2014.01.11