西嶋 亮太選手 (東海大四)

寸評

　168センチと小さい体ながら、エースとして全ての試合に登板し、7試合中6試合は0点に抑え、甲子園に導いた小さな大投手。マウンドに立つと堂々とした立ち姿にそれ以上に見える。 　彼の良さは球速表示以上に伸びを感じさせるキレのあるストレート。135キロ前後だと思うが、指先にしっかりと力が伝わっており、手元で全く失速しないストレートだ。そしてスライダー、チェンジアップに、魔球ともいえる打者の手元で浮き上がるように落ちるカーブ。このカーブをなかなか打つのは難しく、小柄な投手体型を補う大きな武器といえるだろう。これほどカーブを使いこなせる高校生右腕もなかなかいない。 　（投球フォーム） 　セットポジションから始動し、左足を真っ直ぐ上げていき、右足の膝を適度に曲げてバランス良く立つことが出来ている。この足上げのバランスが非常に良く、その後の体重移動を支えている。 　左足を遊撃方向へ伸ばしていきながら、お尻から先行するヒップファーストが出来ている。股関節の柔軟性があり、縦の動きが出来ている、そして左腕のグラブを斜めに伸ばしながら、開きを抑え、テークバックは内回りの旋回で、右ひじをしっかりと上げてリリースに入る。打者寄りでリリースすることが出来ており、球持ち自体も良い、 　最後のフィニッシュでも、踏み込んだ左足をしっかりと踏み込んで、右足を蹴りあげることができており、始動からフィニッシュまで流れるようなフォームで、完成度が高い。

将来の可能性

　短いイニングしか見られなかったが、彼の投球センスの高さ、技術力の高さ、投手として大事な柔軟性の高さを感じられた。甲子園でぜひ彼の投球術を見てみたいと思う。