鈴木 智喜選手 (弥栄)

寸評

　この夏の、弥栄高校躍進の立役者となった好投手。上背はないが、135キロ前後のストレートと鋭いスライダーを武器に神奈川大会を駆け上がっていった。 　 （第一印象） 　 　非常に、野球センスに優れた選手だと思います。ただ投げるだけでなく、テンポ・フィールディング・バッティングなども含めて、総合的に優れたプレーヤー。 　 （投球内容） 　 　コンスタントに135キロ前後のストレートを投げ込み、私が確認した中ではMAX137キロというのもありました。それ以上に素晴らしいのが、変化球。大きく横滑りするスライダーに、縦に切れ込むスライダー。それに独特の縦に落ちるチェンジアップのような球もあります。細かいコントロールはありませんが、一つ一つボールの威力で勝負します。 　 ＜長所＞ 　 　一見荒っぽいフォームに見えますが、着地までの粘りもあるし、体の開きも早すぎることはありません。打者にとっては、それほど合わせやすいフォームだとは言えないでしょう。 　 　腕や上体を強く振れる力投派で、気持ちがこもったボールが投げられます。 　 ＜課題＞ 　 　グラブは最後まで体の近くにありますし、ボールも前で放せて「球持ち」も悪くなさそう。ただ足の甲の地面への押し付けが浅く、ボールが高めに抜けてしまうことが少なくありません。 　 　ボールに上手く体重が乗せきれず、地面の蹴り上げに乏しいのが残念です。下半身のエネルギー伝達に、課題を残しています。

将来の可能性

　体格には恵まれませんが、優れた野球センスとゲーム感覚を持っています。地方リーグなどなら、充分野球を続けて行ける素材。そこで頭角を現し、高校時代に成し得なかった全国へと名を轟かせて欲しい選手です。更に上のレベルを目指して、これからも野球に邁進されることを期待します。