伊藤 将司選手 (横浜)
寸評
この試合の注目は春から背番号1を背負った伊藤 将司だ。伊藤は千葉県・横芝中出身。Kボール・オール山武のエースとして千葉県優勝。その名は千葉県内では知れ渡っていた逸材だ。全国各地からの逸材が集まる横浜においてエースナンバーを奪うのは並大抵なことではないが、彼は1年秋にベンチ入りし、そこから急成長を果たし、2年春にエースナンバーを背負うようになった。主戦を任されるまで地道な努力があったと思うが、よく勝ち取ったと思う。 その伊藤。投球の印象を述べると出所の見難さとダイナミックさを両立したフォームで、躍動感を感じる左腕であった。 小さいフォームは主流となっているが、出所の見難さとダイナミックさが備わった投手は中々いない。彼は肘の可動式が広く、そして股関節の柔軟性も高いので、小さく複雑な動きでもスムーズに投げられるのが強み。腕の振りの鋭さ、下半身の使い方、リリースポイント、上半身と下半身の連動性はかなり高いレベルに到達しており、浦和学院の小島 和哉と肩を並べるのも時間の問題だろう。 今日の最速は部員が測っていたスピードガンによると最速132キロ。だが回転数が高く、球速表示以上のモノとさせる球質で、135キロ前後は出ているのではないかと思わせるストレートであった。さらに出所が見難い投球フォームなので相当打ちにくい。横須賀の打者のほとんどが振り遅れで前へ飛ばす事が出来ていなかった。彼のストレートは初見では捉えるというのは困難ということなのだろう。伊藤が降りた後に横須賀打線が次々と振りぬいて前へ打球を飛ばしていたのがその証拠だ。 キレの良いストレートを内外角にコントロールしながら、意図的に高めのストレートを投げさせて空振りを誘っていた。3イニングを投げてノーヒットに抑えて降板した。まだ体は細いが、これから本格的に鍛えて、スピード面を高めていきたい。また横浜から楽しみな投手が一人現れた。
更新日時:2013.04.15
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