浅井 洸耶選手 (敦賀気比)

寸評

　選抜・緒戦の沖縄尚学戦で、いきなり5打数5安打の離れ業をやってのけた　浅井洸耶　。右に左にセンターへと、面白いようにボールをはじき返す対応力の高さは、新2年生ながら逸脱だった。 （第一印象） 　まだセンスが勝っていて、体幹の力が足りないかなぁという印象は受けます。ただ打席でも集中力があり、意識も高い選手なのだと思います。 （守備・走塁面） 　一塁まで塁間は、早い時で4.45秒前後。左打者に換算して、4.2秒ぐらいとプロの基準レベルに到達。新チーム結成以来の38試合で10盗塁と、それなりに動ける脚力はありそう。 　遊撃手としては、まだフットワーク・スローイングにしてもフワフワして地に足の着かない印象はあるのですが、総じて安定しています。地肩はそれほど強くありませんが、スローイングが乱れるケースが少ないのは好感。凄いプレーをするよりも、堅実なプレーをする遊撃手といった感じ。 （打撃内容） 　来た球をいろいろなところに打ち返す、内川聖一（ソフトバンク）選手のような打撃を得意とします。始動は遅めなので、ボールをよ～く引きつけて、狙い球を逃しません。 ＜長所＞ 　頭があまり動かず、目線が安定しています。体の開きも我慢できますが、本当は早めに体を開いて、引っ張りこむ打撃を得意としているよう。それでも状況に応じて、センターや右方向にもはじきかえします。 ＜課題＞ 　この手の好打者タイプにしては、バットが最短距離で出るタイプではありません。バットを寝せて大きな弧で振り込んでくるので、内角の捌きなどにスペースが欲しいタイプ。そのためいち早く体を開けるようにしているのかな？と思える部分があります。ただ状況に応じて、瞬時に捌くパターンを複数持っているので、自分の捌けるポイントに体を持って行くことができるようです。

将来の可能性

　まだセンスが勝った選手で、攻守に凄みはありません。ただ天才肌なので、これから守備・打撃に「強さ」や「鋭さ」が加わって来ると、本当に楽しみな選手。上手く成長して行けば、来年のドラフト候補として大いに注目される可能性があります。期待して、その成長を見守ってゆきたい選手でした。