登地 慶輔選手 (常葉菊川)
寸評
選抜の報徳学園戦では、大会NO.1投手・乾陽平の内角一杯の厳しいストレートを、見事ライト線にはじき返した打撃と安定した中堅守備で、プロからも注目されました。 (第一印象) 常葉菊川らしく、非常に癖のある打撃フォームをしております。その辺を、天性の感性でいかに補って行けるのかが、今後のポイントではないかと思います。 (守備・走塁面) 強打・常葉菊川の核弾頭をしておりますが、一塁までの塁間は4.2秒前後と驚くほど早くはありません。それでも新チーム結成以来の185打席で29盗塁ですから、プロの規定打席である446打席に換算すると、1シーズン70個ペースで走っていることがわかります。その走力以上に、走塁技術と積極性があることが伺われます。 中堅手としては、打球の判断・目測に狂いはなく、安定した守備が光ります。地肩も基準以上ですし、守備に関しては上のレベルでも充分通用するでしょう。走力・守備力の高さが、まずプロからの信頼につながったのではないのでしょうか。 (打撃内容) 選抜緒戦の春江工業戦では、持ち味を発揮できず。2戦目の報徳学園戦あたりから、打撃の調子も上がってきました。投手の重心が下がり始める前から足を引き上げる独特のフォームで、思いっきり良くバットを振り下ろしてきます。 <長所> アウトステップするように、内角を強く意識した打撃スタイル。それでも踏み込んだ足元はけしてブレないので、外角や低めの球にもある程度対応できるはず。 大きな弧を描き、フォロースルーまできっちり振りぬく大きなスイングで、まともに当たれば破壊力抜群の打球を生み出します。 <課題> グリップを内側に強烈に引き込み、大きく体から離れて振られるスイング軌道が気になります。これは彼に限らず、常葉菊川の打者達に多く見られる傾向。同校の選手が上のレベルで伸び悩むのは、このフォームが染み込み木製バットに対応しきれないからではないかと考えられます。それでも選手の感性を大切にし、思いっきり振らせることに、この学校の最大の特徴があるのもまた確かなこと。
更新日時:2013.04.16
将来の可能性
打撃には癖がありますが、強く叩ける、内角の捌きに優れるといった優れた資質があるのも確か。また守備・走塁で潰しがきくので、打撃で結果を残せなくても我慢して起用してもらえる強味があります。持っている資質は高いので、大学のみならず社会人で野球を続ける可能性も秘めていると思います。夏のアピール次第では、プロへの可能性もあるのではないのでしょうか。果たして今後どんな野球人生を描いてゆくのか、注目せずにはいられません。
更新日時:2013.04.16
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