小島 和哉選手 (浦和学院)

寸評

　1年秋から、名門・浦和学院のエースとして活躍。ゆったりしたモーションながら、強気に内角を突く投球とカーブ・スライダー・スクリューなどで相手に的を絞らません。選抜緒戦の土佐高校戦では、9回を6安打・3四死球出しながらも、粘り強い投球で完封して魅せました。 （第一印象） 　上手いピッチングをする投手との印象がありますが、その陰で強気に内角を突く投球が光ります。ただ球に絶対的な威力がないので、どうしても仕留めきれず球数が多くなりがち。投手としてはまとまっているように見えるのですが、どうしても収まりの悪いピッチングをするので、ピリッとしない印象がいつも残ります。 （投球内容） 　球速は120キロ台後半～130キロ台中盤まで記録。カーブ・スライダー・スクリューなど変化球も含めて、両サイドに散らすのが身上。ランナーを出せば「間」をじっくり取って投げるなど、マウンドセンスが悪くありません。あとは、速球でも変化球でも、威力・キレを増して総合力を引き上げることが大いなる課題ではないのでしょうか。 ＜長所＞ 　グラブは内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定。「着地」までの粘りはそれほどでもなくても、ボールの出どころは隠せて体の「開き」は早くない。 　投げ終わったあと腕は体に絡んで来るなど、速球と変化球の見極めは困難。ボールにも適度に体重は乗せており、打者の手元までの球威・勢いはそれなり。むしろ上体を鋭く振ることを意識して、キレを出して欲しいところ。 ＜課題＞ 　足の甲での地面の押し付けが浅く、ボールはやや上吊る傾向にあります。速球がもう少し低めに集められれば、内野ゴロが増えたり空振りも期待できるので、球数も抑えられるのではないのでしょうか。

将来の可能性

　現状は、適度なまとまりの正統派左腕で、大学に進学するタイプの好投手かなという印象は受けます。しかし投球にキレ・鋭さを意識して取り組めば、けして球速が出ない投手ではないので、来年一気にドラフト候補へと変貌しても不思議ではありません。これから彼が、どの方向で成長を遂げようとするかで、彼の将来も大きく変わってきそうです。

短評

観戦レポートより抜粋 2013年03月24日 投手では2年生左腕、小島 和哉のピッチングが見応えがあった。ストレートは確認できた最速が136キロで速球派というほどの迫力はなかったが、左右各打者の内角をえぐるストレートの力強さが迫力満点で土佐各打者の踏み込みを許さなかった。 　ここまで立田 将太（大和広陵2年）、高橋 由弥（岩国商）の内角攻めを見てきたが、彼らとくらべても内角球の頻度、コントロールの正確さで小島が上回る。変化球は横ブレの少ないスライダー、チェンジアップのキレが素晴らしく、これらの縦変化球でも内角を突けるというのが他に類を見ない小島の特殊性だろう。