山根 佑太選手 (浦和学院)

寸評

　2年生ながら、名門・浦和学院の4番を任されている信頼度抜群の選手。実際に夏の埼玉予選ではホームランこそありませんでしたが、チームダントツの12打点に、打率.583厘の好成績を残し重責を果たしました。 （第一印象） 　この選手の素晴らしいのは、状況に応じたバッティングができるところです。今チームに必要なプレーを瞬時に理解し実践できる、頭の良さと技術を兼ね備えます。 （守備・走塁面） 　残念ながら、一塁までの塁間は4.8秒台（左打者換算で4.55秒に相当）と、走力は正直期待できません。ただ実際走っている姿も遅そうなのですが、埼玉予選の7試合で2盗塁と意外に動いています。 　左翼手としては、打球の追い方、反応などを見ていると、まあ上手い外野手ではないことはわかります。地肩についてはよくわかりませんでしたが、左翼を守っているところみると、強肩ということはないでしょうね。 　守備・走塁などの身体能力に関しては、かなり見劣る選手です。 （打撃内容） 　軽くクローズ気味に構え、グリップを高めに添えます。懐の深い、強打者タイプの構えです。ただ始動は早めであり、現状はアベレージ打者の傾向が強いタイミングの取り方になっています。 ＜長所＞ 　始動～着地までの「間」が取れているので、速球でも変化球でも合わせやすい打ち方。打球は、ベース側にインステップするように外の球を強く意識したスタイル。そのため、右方向に強い打球を飛ばせます。踏み込んだ足元もブレないので、外角や低めの球にもついてゆくことができます。 　打撃の準備である「トップ」を早めにつくることができ、また「トップ」自体を深く取ることで打球に勢いを与えます。バットも上から振り下ろすようにミートポイントまで持って来るので、ボールを捉えるのに大きなロスはありません。スイングの弧も大きく、フォロースルーまでしっかり振り抜けていてホールを遠くに飛ばせるスイングでもあります。 ＜課題＞ 　気になるところがあるとすれば、スイングの際にバットのヘッドが下がってしまい、打ち損じが多そうなスイングだということ。あとは、結構ボールを打ちに行くときに、自分からボールを追ってしまう傾向があるので、身体のツッコミには注意したいですね。

将来の可能性

　守備・走塁での魅力に乏しいのですが、野球頭脳の素晴らしさと、それを可能にする技術はシッカリしています。打って打って打ちまくることで、評価されるタイプ。ただそれほど長打力があるタイプではないようなので、来年ドラフト候補になるかと言われると疑問です。ただ非常に素晴らしい選手なので、今後もドラフトの枠を超えて追いかけて行きたい選手です。