森田 将選手 (広島工)
寸評
甲子園では登板がありませんでしたが、今年の広島工業を支える投手陣の一人として、甲子園出場に貢献した一人。ズシリと重いストレートは、エースの辻駒 祐太よりも威力のある球を投げ込みます。将来性の高い剛球投手として、これからの成長が期待されます。 (第一印象) 重心の上下動が激しいフォームのせいか、球筋が安定しないのが気になります。投げているボール自体は力があって面白いだけに、制球の粗さが成長の妨げにならないか心配です。 (投球内容) 球速自体は、常時135~140キロぐらいと驚くようなものはありません。しかしボールに球威があり、非常にボリューム感を感じさせる剛球タイプ。鍛えようによっては、今後150キロ近い球も期待できそうな馬力も感じさせます。キレの良いスライダーも兼ね備えますが、球筋が安定しないのがネック。制球の不安さえなくなればというのが、率直な感想です。 <長所> 比較的お尻を一塁側へも落とせますし、着地までの粘りも悪くありません。そのためカーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化も期待できる土台があります。将来的には、まだまだ球種を増やし、投球の幅を広げてゆくことが期待できます。 腕の振りが強く、最後までシッカリ体に絡んできます。またボールにもシッカリ体重が乗せられており、打者の手元まで球威のあるボールが投げられます。 <課題> 最大の課題であるコントロールは、グラブの抱えがちゃんと出来ていないところに問題があります。そのため遠心力で外に振られてしまい、内に力を閉じ込められません。また左右だけでなく、上下にも大きく動くフォームなので、これまた制球を乱す要因があります。「球持ち」自体悪いようには見えませんが、けして指先の感覚もよくありません。制球に関しては、かなり複合的に問題を抱えている投手だと言えるでしょう。
更新日時:2012.08.30
将来の可能性
体格にも恵まれ、上体も強く振れ下半身も上手く使えています。そういった意味では、コントロールを気にしないで投げたら、将来的に150キロ級の重い球を投げられる資質はありそう。ただコントロールに関しては、左右・上下とブレの激しいフォームであり、これを修正するのは中々難しいものがあります。この部分を改善できれば、アマ球界を代表する速球派へ変貌するのではないのでしょうか。密かに期待して、今後の成り行きを見守りたいとおもいます。自分の可能性を信じて、野球を続けて欲しい一人です。
更新日時:2012.08.30