藤山 知明選手 (佐久間)
寸評
この夏、名を上げているのが佐久間の藤山 知明。投手転向してから とは思えないぐらい完成度が高いフォームをしており、回転の良い直球を投げ込む本格派。無名校ではなるが、素材の良さがある。初戦から2試合連続完封。静清戦では打ち込まれてしまったが、次のステージ以降の活躍が楽しみな投手の一人だ。 右オーバーから振り下ろす直球は常時130キロ~135キロ前後を計測しているのではないだろうか。波多野陽平(日本文理)のような鋭い腕の振りをしている。変化球はスライダー、カーブ、フォークの3球種。 外角中心にスライダー、カーブで配球を組み立てていき、追い込んでからはアウトハイのストレートで決めに行く傾向がある。ただ打者もそれを分かっているのか、しっかりと当てていくことが多い。途中からフォークを混ぜて三振を奪うようになったが、アウトハイのストレート以外に決め手となる配球を考えていくとピッチングの幅はさらに広がっていくのではないだろうか。 (投球フォーム) 彼最大の長所は鋭く腕が振れるということ。下半身を土台にして、しっかりとトップを作り、鋭く腕を触れることにより、回転がかかった質の良いストレートを投げる事が出来ている。 ワインドアップから勢い良く振りかぶっていき、左足を捻るように上げていき、右足の膝を適度に曲げてバランス良く立つことが出来ている。左足を三塁方向へ向かって伸ばしていきながら、身体を沈みこませて、左足のつま先を三塁側に踏み込んで着地する。 テークバックを大きく取って、トップを作る。テークバックは大きく、背中側に入り込んでいるように見えるが、回転するときにしっかりと肘を上げる事が出来ており、許容範囲といえるだろう。軸足の折り曲げも良く、股関節に上手く力を伝える事が出来ており、下半身の使い方も綺麗だ。 トップ時の胸の張りが素晴らしい。身体の近くで腕を絡ませ、最後のフィニッシュまで勢い良く振りだす。始動からフィニッシュまで躍動感があるフォームだが、全身に負担を掛けるフォームなので、アフターケアには気を使ってほしい。
更新日時:2012.07.23
将来の可能性
まだ厳しい環境でもまれていないということもあって、投球の駆け引きなどが出来るタイプではない。ただ出し惜しみせず腕を振る姿勢というのは非常に大事なことであり、どんなに思考を凝らしてもやはり腕が振れる土台がない投手は先の世界で活躍することはできない。だからどんな場面でも腕を振るということは貫いてほしい。 各大学の評価が高まっている逸材と聞くので、この先、恵まれた素質を開花させて、ドラフト候補として注目される投手に成長することを期待したい。
更新日時:2012.07.23
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